閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

根気の問題?それとも・・・。

2017-08-01 06:34:02 | 日記
もとより、現今作家の小説はあまり読まないのだけれど、最近店に入った中に きちんとした内容で知られる九州に縁のある作家の作品があったので、久しぶりに読んでみようという気になった。四六版・上下二冊の長編、そして江戸時代のある出来事を材料にしている。その事件は小生も知ることなので、そしてその作家はこれまで時代物はほとんど書いていないので、さてどんな小説か と興味を持って読み始めた。しかし・しかし なかなか読み進む気にならない。面白くないのである。 小生も寄る年波で目の調子は良いとはいいがたく、長時間の読書は少し厳しい状況でもある。にしても、事件の内容・結末はわかっているので、如何に「小説化」しているか、如何読者を引っ張るか に小生の関心はある。 歴史小説そのものは次々と発表され、これまでのことを思えばまさに山のようにあるけれど では 発表当時も今も 読み継がれている作品と どこが違うか。娯楽小説では無いので 柴田錬三郎・五味康介のようにとは言わない。山本周五郎・藤沢周平 あるいは 松本清張・司馬遼太郎とどこが違うだろうか。 それぞれ語り口の「癖」のある作家だと思うけれど、「癖」のあるなし の問題ではなさそう。素人感覚の言いぐさではあるが、「筆力」ということを 思わざるを得ない。
 素材の良しあしも大事であろうけれど、それだけではダメ、というのは 駆け出しの作家が、編集者とのやり取りでよく出てくる言葉である。
 どこがどうで面白くないのか、如何すればよくなるか それがわかれば 小生は立派な編集者になれますね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする