丸善ギャラリーの即売会を終えました。わが店はスチール棚を減らし、出品量を少なくしたのでしたが結果(売り上げ)はいつもと変わらず、効率が良かったと言えるでしょう。今回は目録を出さないし、ほかの業者も古書を出すのではなく、ガラスのショーケースも小店だけの一台なので出品するのに何を主題にするか目途の立たないままでした。ほかの店は大量の「新古本」の出品、しかも3冊で五百円とか文庫類の百円均一とか、安い雑誌・ムックをびっしりと並べています。彼らはいわゆるスーパーマーケットの出口での安売りの感覚で、小生に言わせると「丸善ギャラリー」というブランドにそぐわないと思うのだけれど、そんなこと一向に意に介する様子はない。「売れればいいんでしょ、若い世代の人が来るからいいではないですか」という。 わが店は相変わらず薄く・軽く小さくというものがよく出る、今回は絵葉書と豆本、地図が目立った。一方そればかりではわが店の在庫の物理的嵩を減らすことにならないので、ワンコイン・五百円の本を一塊用意したらこれはわが店としてはよく売れたようで、もし五百円均一の立て札なりで表示していたらもっと売れたに違いない。しかしそれはやりたくない。
ずっと以前、即売会の奔りのころ、個々の店は均一を名乗った台は止めるという組合の「紳士協定」(他にもいくつか)があった、それは均一を表示・名乗るとお客さんがそこへばかりに集まってしまうから、だった。それが世代が変わってきてそれらのルールを伝承できなかったということ。そもそも(とは言いたくないが)我が店は定価より安く売るのをなるたけ避けてきている。古本屋は新刊屋にない本を扱う、製造原価に基づく「定価」ではなく本の本来の価値を問う仕事だと思う。現実には大量の新古本の流入でそうばかり言っては居れないのだけれど、この心得は守りたい。次回の来年四月の即売会は参加者も変わり、目録を出すことになっています。某書店のように数十万以上の物を出すわけではないけれど小粒ながら少しでも「付加価値」をうたえる品揃えにしなければならないと思っています。
ずっと以前、即売会の奔りのころ、個々の店は均一を名乗った台は止めるという組合の「紳士協定」(他にもいくつか)があった、それは均一を表示・名乗るとお客さんがそこへばかりに集まってしまうから、だった。それが世代が変わってきてそれらのルールを伝承できなかったということ。そもそも(とは言いたくないが)我が店は定価より安く売るのをなるたけ避けてきている。古本屋は新刊屋にない本を扱う、製造原価に基づく「定価」ではなく本の本来の価値を問う仕事だと思う。現実には大量の新古本の流入でそうばかり言っては居れないのだけれど、この心得は守りたい。次回の来年四月の即売会は参加者も変わり、目録を出すことになっています。某書店のように数十万以上の物を出すわけではないけれど小粒ながら少しでも「付加価値」をうたえる品揃えにしなければならないと思っています。