今回は「本」の話ではありません。
昨日・今日とFMで特集していた番組の一回目と二回目を たまたま聞きました。実に懐かしかった、というべきでしょう。小生の学生時代、オイストラッフ、コーガン、シゲティ、などが活躍していたころです。グリューミオの演奏は実演をきいたことはなく、レコード、FM放送などで知ったのですが実に綺麗な情感豊かな、そして完璧に正確な演奏に魅了されていました。 その後あまりFMを聴いたりレコード、CDを使わない生活なのでほぼ忘れていたのです。偶然耳にして其演奏の素敵さを再度確認したわけですが、何となく今の世界とのズレを感じて何だろう???という次第。 特にメンデルスゾーンのコンチェルトを聴いていてふとあることを思いついたのですが、思わず自分で笑ってしまいました。それはその演奏がまずいとかというのではなく、「時代」を感じたからです。その時思い浮かべたのは長谷川一夫、美空ひばり、中村錦之助、山本富士子などの顔だったのです。 お判りになる方があるかしらん。
ちょっと化粧が厚いのではないですか?と言いたくなるし、ご面相は素敵だけれども胴長・短足。時代の差でしょうか。40年前の演奏家の演奏は、すっぴんの美しさ、ではなくちょっと化粧をした演奏かと思っています。今日の演奏はどちらかといえば「研ぎ澄まされた」とか「テキストを研究しつくした」というのが多いように見受けられます。 技術的には甲乙つける問題ではなく、表現の情感なのだとおもいます。
彼の演奏の音色は比類なきものでこれはまさに天下一品。下世話には其楽器は今誰が使っているのかなあと思います。シゲティの楽器は潮田益子が、リッチのは木野氏(八代出身のパガニーニ弾き)が持っていることを知っている。
ちなみに木野氏の其楽器のケースは鰐革製の特注品でそれだけでも百万円くらいするという話でした。 弓は当然ながら一千万クラス。
ブラームスのドッペルコンチェルトの2楽章も久しぶりに聞きましたが、ブラームスはコンチェルトは上手とは言えない。神様のようなベートーヴェンだって、声楽からみは全くダメ、コンチェルトだってまともなのはピアノ以外はヴァイオリンの一曲だけ。この点モーツァルトはすごいですね。まさに天才。
小生はこういう事にも関心のある所を披露しました。たまにはね。