我店(小生というべきか)は 世間一般から見ると多分「世間付き合い」は広くなく、上手な方ではない。 これは同業者間についてもいえることで、市場で会えばそれなりの会話を交わす人はいるけれど、数からすれば少数。まして個人的なあるいは営業に関しても、市場を離れてもあれこれ連絡しあうような相手はいない。よそにはメール・HP等で日常的にやり取りしている人たちもいることが分かっている。 よって、当然ながら古書業界の情報の入手機会も少なく、かつ遅いのだけれど仕方がない。
このところ聞えてきた話に骨董・古道具の業界で、旺盛だった中国系の買い手が全く元気がない、あるいは市場に姿を見せなくなった という事だ。これは古本屋にとっても面白い話ではない。これまで中国筋に売れるのをあてにして買い込んでいた人たちも困る。「風が吹けば・・・」ではないが、骨董・古道具の市が振るわないと買い出し屋さんたちの持ち込みが減って「紙物」も出てこなくなる、 骨董・古道具の「物」が売れないこのご時世に拍車をかけるようなことでは我らも困るのだ。
又別に聞こえてきた話。 地図類は割と早くからいわゆるデジタル化されて旧参謀部の地形図は全部コピーできるようになって価格は下落した。それより古典文学関係ではでは論文のデータベース化が早くからあって、「〇●論文集・〇●研究」がほぼ全滅してからかなり時間がたつ。そしてこの頃は過去に刊行された「地方史・誌」がそうなっているそうで、いわゆる「郷土史もの」の販売は全滅の危機だそうである。
江戸時代などの古典籍と言える書物がインターネットで見ることができるのはもちろん便利で われらも「はてな」というものの確認ができるという利点はある。しかし、刊行物が次々とネットで見ることができるとなると古本屋の出番はどうなるの? 以前反町氏が「日本の古本屋(の店舗数)は半分以下になります。定価に左右される本を扱っていては生き残れません」との言葉がまさに現実になってきたと言える。 我店はもとより先行き長くはない。よそ様に比べれば多いとは言えないとはいえ在庫の(有効な)処分をもっと真剣に考えなければならない。 もとより面倒がり屋で業界の関係の機関誌等全く見ないで来ているけれど、ネットだITだという世の中はそう言ってはおれぬかもしれない、と
いよいよ面白くない世の中だなあ と。