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「i」革命、世界に衝撃 PC時代に自ら幕

2011年10月07日 07時32分23秒 | 経済
 人間の7倍の速さで年をとる犬になぞらえ、日進月歩で技術革新が進むIT業界は、「ドッグイヤー」と呼ばれる。ジョブズ氏はそんな業界を誰よりも速く、全力で駆け抜けた。

 「ガレージから世界一の企業へ」。1955年、サンフランシスコでシリア人政治学者と白人の大学院生の両親の下に生まれたが、ジョブズ家の養子として育った。世界初とされるパソコンを開発後、76年に自宅の車庫を拠点としてアップルを創業し、立て続けのヒット作でパソコン業界のトップランナーになった。

 経営対立から一時会社を追われたものの、12年後に復帰。ここから「芸術とテクノロジーを両立させた現代の天才」(ソフトバンクの孫正義社長)ぶりをまざまざと見せつける。

 2001年には音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」で音楽ビジネスを変革。駆け出しのころに「宇宙に衝撃を与える」と豪語した通り、自ら大手レコード会社幹部や歌手を口説き落とした逸話は有名だ。

 その後も市場調査に頼らず、自らの感性で新たな需要を開拓し、アイポッド、アイフォーン、アイパッドを連発した。10年間で3度もの「革命」を起こしたことが、創業35年で株式時価総額世界一の企業に押し上げるアメリカンドリームを実現させた。

 アイフォーン、アイパッドは、今やパソコンに取って代わる存在になりつつある。ジョブズ氏の人生の歩調に合わせるように、自らが地平を切り開いた「パソコン時代」に自らで幕を下ろそうとしたことも、一つの「革命」といえる。

 「ジョブズ氏の真骨頂は究極の目標を設定し、それに向かって一切妥協しないところ」(ITアナリスト)。商談のスタイルは「電光石火」「単刀直入」がモットーだ。歯にきぬ着せぬ発言は物議を醸し、敵味方が多い一面もあった。

 晩年は常に健康不安に悩まされ、ライバル企業だけでなく病魔とも闘い続けた。ソバを好む菜食主義者で禅など東洋文化に傾倒した。土曜日の朝には座禅を組み、瞑想(めいそう)するのが習慣だったという。

 「毎日を人生最後の日であるかのように生きていれば必ずひとかどの人物になれる」。17歳の時に出会った言葉を胸に走り続けたカリスマは、類いまれなIT製品と強烈な印象を世に残し、走り去った。(田端素央、古川有希)
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