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中高年に増えるエイズ 「生涯現役」に潜む危険

2013年10月05日 08時26分07秒 | 健康
 エイズが若者の問題だったのは、もはや昔の話らしい。厚生労働省の「エイズ動向委員会」は8月30日、今年4~6月に新たに報告されたエイズ発症者は146人で、過去最多だったと発表した。そのうち50歳以上が58人と全体の4割近くを占めた。

 ここ数年、中高年の患者が急激に増えているという。確かに最近の週刊誌は、「死ぬまでセックス」「60歳からのセックス」(「週刊現代」)、「死ぬほどSEX」(「週刊ポスト」)など、不倫のススメから女性を喜ばせるマッサージ術、アダルトDVDの紹介にいたるまで、これでもか!という勢いで、高齢者の性を特集している。

セックスセラピストで産婦人科医の早乙女智子さんは、「高齢者の性が注目を集め始めたというより、もともとセックスに積極的だった世代が高齢になってもアクティブなまま、ということでしょう」と指摘する。
 
 50年ぶりに小学校の同窓会で再会した初恋の人と、2人で飲みに行き、ときめいてしまった。夫はいるが、セックスするべきか──。早乙女医師のもとには、50代、60代からこんな性の悩みが寄せられている。

「その場合、もう閉経しているから妊娠の心配はないしとコンドームを着けない。何の根拠もなく、自分は大丈夫、と思い込んでいる人もいて、中高年は『いきなりエイズ』というケースが多いんです」(早乙女医師)

 エイズは、エイズウイルス(HIV)に感染しても、すぐには発症しない。個人差はあるが、2~10年ほどの潜伏期間を経て症状が出てくる。中高年はHIV検査を受けていないため、感染していることに気づかず、症状が出て初めて感染に気づくことが多いという。

 国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨HIV/AIDS先端医療開発センター長は、中高年で発症者が急増する原因をこう指摘する。

「各地域の保健所では匿名で検査を受けられるにもかかわらず、実際に受けている人の多くが若者なんです。いくら啓発キャンペーンを行っても、エイズ発症が心配な、もっとも届いてほしい中高年層は当事者意識が薄く、危機感を抱いていない」

 コンドームメーカー大手のオカモトは、08年から性感染症とコンドームについて学ぶバーチャル学校「オカモトスクール」を開講しているが、マーケティング推進室の林知礼(とものり)さんによると、若年層の方がリスクに対する意識が高いように感じられるという。

「年配の人の方が、コンドームをいまだにアダルトグッズのようにとらえて敬遠したり、『俺は平気だから』と着けないリスクをひとごとのように考えていたりする傾向があるように思いますね」

※AERA  2013年10月7日号
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