日本の借金が1000兆円を優に超えている現状から、近い将来日本はデフォルトやハイパーインフレになるのでは? という噂や意見が絶えません。
読者様からも、「デフォルトやハイパーインフレになったら何が一番安全資産?」という質問をいただきました。今回、その質問に回答いたします。
Q.「デフォルトやハイパーインフレになったら何が一番安全資産?」
質問者様:以下、Q様
回答者:以下、堀(執筆者)
Q様:ちょっと極端な話かもしれませんが、デフォルトやハイパーインフレになったら何が一番安全資産か教えてください。
堀:なるほど、日本が今すぐデフォルトやハイパーインフレになるとは考えにくいですが、一つの知識として記憶にとどめておくのは大切だと思います。質問、ありがとうございます。
初めに、デフォルトとハイパーインフレの定義を確認しておきましょう。
デフォルトとは、債務不履行のことです。
日本国は国債を発行しお金を借りているわけですが、借りたお金は償還期限(借りたお金を返す期限)までに返すことになります。
しかし、借りたお金を返せません! と宣言することがデフォルトです。
デフォルトになると、国債を発行した日本の信頼がなくなります。
お友達に1万円を貸して、「1週間後に返すね」と言われたものの「返せない」と言われたら、そのお友達に二度とお金を貸すもんか! と、思いますよね。お友達への信頼が失墜します。
同様のことが一国で生じるのがデフォルトです。
デフォルトになると、日本国の通貨も暴落します。国が信用できないなら、その国の通貨価値も信頼に値しなくなるからです。
すると次に起こるのが、ハイパーインフレです。通貨が暴落すると、たとえば、100円の価値が100分の1になるなら、今まで100円の商品は1万円出さないと買えなくなります。
通貨暴落により物価が暴騰することになる、つまり、ハイパーインフレが発生するのです。
Q様:はい。日本でデフォルトやハイパーインフレが起こるとは思いたくないのですが、もしそうなったとしたら、安全資産というものがあるのでしょうか?
堀:あります。そのヒントとなる事例を挙げてみますね。
1998年にロシアがデフォルトになったことは記憶に新しいですが、そのときに「オリガルヒ」と呼ばれる実業家たちは莫大な資産保有に成功しました。
なぜ莫大な資産保有に成功したか。彼らはロシアルーブルによる資産から海外資産へ移動し、デフォルト後、財政難に陥った石油企業などのロシア国営企業を買収したのです。
(関連書籍⇒オリガルヒ―ロシアを牛耳る163人 著:中澤孝之)
私たち一般市民が同じことをするのは無理ですが、この事例にヒントが隠されています。それは、“海外資産” です。日本円ではなく、海外の資産を保有することでデフォルトやハイパーインフレに対処可能です。
ただし、起こるか分からないデフォルトに備えて、今すぐ自己資金をすべて海外資産に移すのは違います。分散投資のポートフォリオに外貨を組み込むことで、“万が一” に備えることができるでしょう。
Q様:海外資産、外貨。これが対処法の一つなんですね。
気になるのが預金封鎖の噂です。デフォルトになると預金封鎖が起こりますよね。
2013年にキプロスで預金封鎖が行なわれましたし、日本バブル崩壊後の1990年代には大蔵省が預金封鎖を検討したという噂もあります。あくまでも噂ですが。
デフォルトによる預金封鎖への対処法はあるのでしょうか?
堀:するどい質問ですね。これも一例を挙げて、対処法を考えてみましょう。
Q様が仰っていたキプロスの預金封鎖ですが、戦後、日本も預金封鎖を行なっているんです。そのときにある日本人実業家は大実業家への変貌を遂げました。彼が保有していた資産は、不動産です。
預金封鎖の時点で、ホテルという不動産を保有していた小佐野賢治氏。預金封鎖になっても不動産の価値は変わらないので、その不動産を元に新たな事業経営への道を開拓することができました。
小佐野氏と違い、私たちがホテルを購入するのは見当違いですが、“不動産の価値は変動しない” というのは一つの着眼点です。通貨と全く違った資産、不動産はデフォルト時の安全資産と言えると思います。
今お持ちの家や土地には価値があります。ただただ住むことや現金に換えることを考えるのではなく、安全資産の一つとして、リスクヘッジという観点から見ると、今後の保有の可否を検討する上で参考になるでしょう。
Q様:なるほど、不動産は安全資産になるというのを覚えておきたいと思います。
堀:はい。また、これは資産運用における不変の真理と言えますが、金(ゴールド)は安全資産の代表的存在です。
景気が悪くなると金が買われる傾向にありますよね。2008年のリーマンショック後、金価格は暴騰しました。
金は「究極の通貨」とも言われており、ハイパーインフレになれば安全資産として最も需要が高くなるのが金でしょう。
いくらかの金を現物保有し家の金庫に入れておく。何だかとってもアナログな方法ですが、デフォルトになればこれ以上の安全資産はないかもしれませんよ。
Q様:やはり、金ですか。時代は変わりつつありますが、ゴールドの価値に変化はないようですね。外貨、不動産、ゴールド。今後の資産運用の参考にします。今回はありがとうございました!
堀:こちらこそありがとうございました。参考になれば幸いです。
(執筆者:堀 聖人)
読者様からも、「デフォルトやハイパーインフレになったら何が一番安全資産?」という質問をいただきました。今回、その質問に回答いたします。
Q.「デフォルトやハイパーインフレになったら何が一番安全資産?」
質問者様:以下、Q様
回答者:以下、堀(執筆者)
Q様:ちょっと極端な話かもしれませんが、デフォルトやハイパーインフレになったら何が一番安全資産か教えてください。
堀:なるほど、日本が今すぐデフォルトやハイパーインフレになるとは考えにくいですが、一つの知識として記憶にとどめておくのは大切だと思います。質問、ありがとうございます。
初めに、デフォルトとハイパーインフレの定義を確認しておきましょう。
デフォルトとは、債務不履行のことです。
日本国は国債を発行しお金を借りているわけですが、借りたお金は償還期限(借りたお金を返す期限)までに返すことになります。
しかし、借りたお金を返せません! と宣言することがデフォルトです。
デフォルトになると、国債を発行した日本の信頼がなくなります。
お友達に1万円を貸して、「1週間後に返すね」と言われたものの「返せない」と言われたら、そのお友達に二度とお金を貸すもんか! と、思いますよね。お友達への信頼が失墜します。
同様のことが一国で生じるのがデフォルトです。
デフォルトになると、日本国の通貨も暴落します。国が信用できないなら、その国の通貨価値も信頼に値しなくなるからです。
すると次に起こるのが、ハイパーインフレです。通貨が暴落すると、たとえば、100円の価値が100分の1になるなら、今まで100円の商品は1万円出さないと買えなくなります。
通貨暴落により物価が暴騰することになる、つまり、ハイパーインフレが発生するのです。
Q様:はい。日本でデフォルトやハイパーインフレが起こるとは思いたくないのですが、もしそうなったとしたら、安全資産というものがあるのでしょうか?
堀:あります。そのヒントとなる事例を挙げてみますね。
1998年にロシアがデフォルトになったことは記憶に新しいですが、そのときに「オリガルヒ」と呼ばれる実業家たちは莫大な資産保有に成功しました。
なぜ莫大な資産保有に成功したか。彼らはロシアルーブルによる資産から海外資産へ移動し、デフォルト後、財政難に陥った石油企業などのロシア国営企業を買収したのです。
(関連書籍⇒オリガルヒ―ロシアを牛耳る163人 著:中澤孝之)
私たち一般市民が同じことをするのは無理ですが、この事例にヒントが隠されています。それは、“海外資産” です。日本円ではなく、海外の資産を保有することでデフォルトやハイパーインフレに対処可能です。
ただし、起こるか分からないデフォルトに備えて、今すぐ自己資金をすべて海外資産に移すのは違います。分散投資のポートフォリオに外貨を組み込むことで、“万が一” に備えることができるでしょう。
Q様:海外資産、外貨。これが対処法の一つなんですね。
気になるのが預金封鎖の噂です。デフォルトになると預金封鎖が起こりますよね。
2013年にキプロスで預金封鎖が行なわれましたし、日本バブル崩壊後の1990年代には大蔵省が預金封鎖を検討したという噂もあります。あくまでも噂ですが。
デフォルトによる預金封鎖への対処法はあるのでしょうか?
堀:するどい質問ですね。これも一例を挙げて、対処法を考えてみましょう。
Q様が仰っていたキプロスの預金封鎖ですが、戦後、日本も預金封鎖を行なっているんです。そのときにある日本人実業家は大実業家への変貌を遂げました。彼が保有していた資産は、不動産です。
預金封鎖の時点で、ホテルという不動産を保有していた小佐野賢治氏。預金封鎖になっても不動産の価値は変わらないので、その不動産を元に新たな事業経営への道を開拓することができました。
小佐野氏と違い、私たちがホテルを購入するのは見当違いですが、“不動産の価値は変動しない” というのは一つの着眼点です。通貨と全く違った資産、不動産はデフォルト時の安全資産と言えると思います。
今お持ちの家や土地には価値があります。ただただ住むことや現金に換えることを考えるのではなく、安全資産の一つとして、リスクヘッジという観点から見ると、今後の保有の可否を検討する上で参考になるでしょう。
Q様:なるほど、不動産は安全資産になるというのを覚えておきたいと思います。
堀:はい。また、これは資産運用における不変の真理と言えますが、金(ゴールド)は安全資産の代表的存在です。
景気が悪くなると金が買われる傾向にありますよね。2008年のリーマンショック後、金価格は暴騰しました。
金は「究極の通貨」とも言われており、ハイパーインフレになれば安全資産として最も需要が高くなるのが金でしょう。
いくらかの金を現物保有し家の金庫に入れておく。何だかとってもアナログな方法ですが、デフォルトになればこれ以上の安全資産はないかもしれませんよ。
Q様:やはり、金ですか。時代は変わりつつありますが、ゴールドの価値に変化はないようですね。外貨、不動産、ゴールド。今後の資産運用の参考にします。今回はありがとうございました!
堀:こちらこそありがとうございました。参考になれば幸いです。
(執筆者:堀 聖人)