運用資産総額2兆1000億ドル(約240兆円)をヘッジファンドに運用を任せる投資家504人によると、その63%が上位4分の1のファンドマネージャーは昨年2015年は10%以上のリターンを達成したと答えたことが、ドイツ銀行が発表した「オルタナティブ・インベストメント・サーベイ」の調査結果によって明らかになった。その一方で、半数の投資家が下位4分の1が5%以上の損失を出したという。2016年もヘッジファンド投資が増えると推測されている中にあって、優勝劣敗が進んでおり、機関投資家たちも選別が難しくなっている現実も浮かび上がる。
この調査はドイツ銀行がヘッジファンド投資家504人(運用資産2兆1000億ドル)を対象に行ったもので、2015年の動向や2016年の方針などを聞いている。昨年2015年は閉鎖・償還になるファンドも多く困難な相場環境だったこともあるが、回答者の63%が投資するヘッジファンドの上位4分の1は、10%以上のリターンをあげていたと回答している。ただ、一方では下位4分の1が、5%以上のマイナスとなっていることも明らかにしている。
ヘッジファンド全体としては、2016年は株式市場をアウトパフォームするという見方が多く、41%がヘッジファンドへのアロケーションを増やす計画でいるという。ヘッジファンド業界全体としては資産残高が3兆ドルを超えると見られている。また、米最大の公的年金基金カルパースがヘッジファンドからの資金引き揚げを決定した年金基金の動向だが、こちらも以前同様に組み込むことが優勢となっている。昨年のヘッジファンドへのアロケーションは7%から8%に上昇している。
業界全体としての運用資産残高は増加しているものの、優勝劣敗の傾向ははっきりと出ている。投資家が平均36のファンドをポートフォリオに組み込むというが(中央値25)、2008年の平均60(中央値45)からはかなり集約化が進んでいることがわかる。今後もより高い運用能力を持つヘッジファンドへの資金を移動など、資金が集中していく傾向はますます進んでいくと見られる。
そうした一つの選ばれる傾向として、クオンツ戦略が選択肢として人気となっている。約半数が、クオンツエクイティマーケットニュートラル、CTA、クオンツマクロ、クオンツエクイティなど、ひつとかもしくは複数のクオンツ系戦略を増やしたい意向を持っている。別の調査では、シタデルインベストメント、2シグマなどのクオンツ系のファンドは機関投資家からの評価も高いようで、継続的なリターンをあげているだけでなく、投資家との関係も良好であるという。
また、近年は業界でも議論となっている手数料だが、シビアな見方をする投資家が多くなっており、平均的な管理手数料は引き続き1.63%で前年比と変わらず、平均成果報酬は18.03%から17.85%と、減少している。2%、20%を超えるヘッジファンド運用会社に対しては、運用益が出ていなければ今後も低下圧力が掛っていくと見られる。
ドイツ銀行キャピタル・イントロダクション グローバル統括責任者アニタ・ネメス氏は「投資家はヘッジファンド・ポートフォリオを構築する上でより洗練度を増しています。2015年のリターンのばらつきを見る限り、正しいファンドマネージャーを選ぶこと、また正しいポートフォリオを構築することが、いつになく必須になっています。投資家は相関性が低く、多様化されたリターンの源泉を求めて、ポートフォリオの集中と再構築を行っています」としている。
この調査はドイツ銀行がヘッジファンド投資家504人(運用資産2兆1000億ドル)を対象に行ったもので、2015年の動向や2016年の方針などを聞いている。昨年2015年は閉鎖・償還になるファンドも多く困難な相場環境だったこともあるが、回答者の63%が投資するヘッジファンドの上位4分の1は、10%以上のリターンをあげていたと回答している。ただ、一方では下位4分の1が、5%以上のマイナスとなっていることも明らかにしている。
ヘッジファンド全体としては、2016年は株式市場をアウトパフォームするという見方が多く、41%がヘッジファンドへのアロケーションを増やす計画でいるという。ヘッジファンド業界全体としては資産残高が3兆ドルを超えると見られている。また、米最大の公的年金基金カルパースがヘッジファンドからの資金引き揚げを決定した年金基金の動向だが、こちらも以前同様に組み込むことが優勢となっている。昨年のヘッジファンドへのアロケーションは7%から8%に上昇している。
業界全体としての運用資産残高は増加しているものの、優勝劣敗の傾向ははっきりと出ている。投資家が平均36のファンドをポートフォリオに組み込むというが(中央値25)、2008年の平均60(中央値45)からはかなり集約化が進んでいることがわかる。今後もより高い運用能力を持つヘッジファンドへの資金を移動など、資金が集中していく傾向はますます進んでいくと見られる。
そうした一つの選ばれる傾向として、クオンツ戦略が選択肢として人気となっている。約半数が、クオンツエクイティマーケットニュートラル、CTA、クオンツマクロ、クオンツエクイティなど、ひつとかもしくは複数のクオンツ系戦略を増やしたい意向を持っている。別の調査では、シタデルインベストメント、2シグマなどのクオンツ系のファンドは機関投資家からの評価も高いようで、継続的なリターンをあげているだけでなく、投資家との関係も良好であるという。
また、近年は業界でも議論となっている手数料だが、シビアな見方をする投資家が多くなっており、平均的な管理手数料は引き続き1.63%で前年比と変わらず、平均成果報酬は18.03%から17.85%と、減少している。2%、20%を超えるヘッジファンド運用会社に対しては、運用益が出ていなければ今後も低下圧力が掛っていくと見られる。
ドイツ銀行キャピタル・イントロダクション グローバル統括責任者アニタ・ネメス氏は「投資家はヘッジファンド・ポートフォリオを構築する上でより洗練度を増しています。2015年のリターンのばらつきを見る限り、正しいファンドマネージャーを選ぶこと、また正しいポートフォリオを構築することが、いつになく必須になっています。投資家は相関性が低く、多様化されたリターンの源泉を求めて、ポートフォリオの集中と再構築を行っています」としている。