40代こそ人生最大の分かれ道だった!定年退職者が最も後悔しているのは40代。その後悔が最も集中しているのは「時間の使い方」。1万人のインタビューを通してわかった、仕事に家庭に多忙を極める40代のための時間の使い方「7つのルール」とは?「空白の10年」を後悔せずに生きるための先人たちの智恵を公開。シリーズ最新作『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』から、一部を抜粋して紹介する。
後悔しない40代の時間術「7つのルール」
第1回でご紹介したように、私はリクルートでの新規開拓営業の時代からこれまで、大企業・中小企業の経営者、管理職、定年退職者など1万人を超える人たちの成功談や失敗談を聞いてきました。
彼らが半生を振り返って最も後悔している年齢が40代であること、そしてその後悔が最も集中しているのが「時間の使い方」だということもご紹介しました。
1万人インタビューから成功者の法則をまとめると、40代で上手に時間を使えた人には、大きく分けて「7つのルール」があります。うまくいっている先輩たちの実践法は実にバラバラですが、考え方のポイントをまとめると、この7つを上手に工夫していることがわかります。では、一つずつ解説介していきましょう。
【ルール1】現実に即した作業時間や、自分の持ち時間を正確に見積もる
時間における問題の多くは、作業にかかる時間を少なく見積もっていたり、自分の持ち時間が限られていることを理解していないのが原因です。人は不思議なくらい、一つの仕事にかかる時間を少なく考える習性があるようです。一説には、実際の作業時間は見積もりの1.5倍かかるとも言われています。
また、毎日の生活の中で自由になる時間はかなり限られていることを知る必要もあります。睡眠時間や食事の時間、会議の時間、突発的に起きる出来事も勘案すれば、24時間を自由に使えると考えることが、いかに妄想に過ぎないかがわかります。
現実的にかかる時間を正確に把握し、やるべきことを上手に振り分けていかない限り、スケジュールの破綻は免れないのです。多くの人は少ない時間に多くのタスクを割り振り、最初から実現不可能なスケジュールに翻弄されているともいえるのです。
ドラッカーが時間を記録せよと主張したように、行動を記録して、自分が想定していた時間と実際にかかった時間の間にどれくらいのずれが生じているのか、そのボトルネックが何かを考えていくことが大切です。
【ルール2】見えない時間を「色分け」して見える化し、きちんと計画を立てる
時間は目に見えないので、捉え方が非常に難しいものです。時間をどうつかまえるかが、時間の使い方がうまい人と下手な人との差になります。
では、上手な人はどうしているかというと、時間を「色分け」して管理しています。全体で見ると捉えどころのない時間を、細かく色分けすることによって、いわば「見える化」しているのです。
ちなみに色分けとは、手帳などで色を書き分けるということではなく、「出社前」「就寝前」「移動のすきま時間」とか、「企画をじっくり考える時間」「報告書をまとめる時間」「のんびり過ごす自分時間」などのように、時間にラベルを貼って区分するという意味です。
色分けしなければ何を優先するかもわからなくなり、目の前にあることだけをやってしまったり、想定外の出来事に常に振り回されるはめになります。放っておけば、40代は他人に時間を奪われることが日常茶飯事でしょう。そうならないためには、時間に色を付けて扱いやすくしながら、きちんと計画を立てることが大切です。
時間の色分け法や計画術、タスクの振り分け方、ずれた予定の調整法など、詳しいやり方は新刊『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』でご紹介していますので、ご一読いただければと思います。
【ルール3】作業時間を区切り、「終わらせ方」を常に意識する
色分けして計画を立てることには、仕事をある程度のかたまりに細分化して、やるべきことを明確にしておく意味もあります。
多くの人は仕事を大きなかたまりで捉えています。しかし、それでは作業時間がまったく読めません。端からやっていくと別のやるべきことが発生し、またそちらに囚われてしまい……と、結局、時間が足りなくなり、中途半端に終わってしまいます。
一日に行う仕事がたった一つだけという人はいないでしょう。多くの人は複雑に絡み合った複数の仕事を同時に抱え、ある程度の期間の中で行っています。タスクの細分化は、一つの作業にどのくらいの時間がかかるかを把握し、実行しやすくするのです。細分化したタスクに計画した時間を振り分けていないと、一つの仕事に必要以上の時間を取られてしまいます。
さらに、細かく分けた仕事を予定通り行うためには、一つ一つの作業に30分とか60分などのデッドラインを設定しておく必要があります。タイマーで作業時間を計るなどして、常にタイムリミットを意識した仕事のやり方を心がけることが求められます。
ただし、これは何でもかんでも仕事を細切れにして、時間に追われながら行うということでは決してありません。仕事には「マルチタスク」で短時間に行うものもあれば、「シングルタスク」でじっくりと時間をかけて行うものもあります。まとまった時間を計画的に確保するためにも、色分けして、タスクの細分化を行い、時間を計りながら行う必要があるのです。
また、立てた予定が狂う原因には、見積もった時間内に終わらないため、もう少しだけやろうとか、区切りが悪いのであとちょっと続けよう、と感じる心理的抵抗があります。完璧主義の人ほど、その傾向があるかもしれません。
そのときに大切なのが、作業の「終わらせ方」です。計画した時間割を狂わせずに、同時に仕事のパフォーマンスも落とさずに進めるためには、「終わらせる時間」を決めて守ることがカギになるのです。
もちろん、単に終わらせるだけでは問題は解決していませんので、再びやるべきタスクを“ならして”計画に落とし込むことが必要です。そのリスケ法やタスクの振り分け方なども、書籍『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』では詳しく解説していきます。
【ルール4】自分にとって本当に重要なことを優先できるように「時間配分」を変える
これまで述べてきたように、40代の時間術において最も重要なのは、他人に振り回されながら自然とでき上がった時間割を、自分の価値観や本当に望む人生に沿った時間割につくり変えることです。
時は金なりと言われますが、時間はお金を超えた究極の「人生資源」だとさえいえます。それも、お金のように増やすことができず、全体でどのくらい持っているのかさえわからない、実にやっかいな資源なのです。もしかしたら明日、その資源が突然枯渇する可能性だってあります。
だからこそ、限りある資源を何にどう配分するかを真剣に考えなくてはいけません。でも、本来ならお金と同じように、ポートフォリオを組んで配分するようなものであるにもかかわらず、やっている人はほとんどいないでしょう。結果、自分にとってはどうでもいいことに、人生で最も貴重な資源を配分しているのです。
そうならないためには、思い切って配分を変え、新しい時間割をつくり出すことです。正解は一つではなく十人十色なので、自分なりの納得解をどう考えるかになります。
このことは、仕事の進め方においても同じことがいえます。忙しい40代にとっては、限られた時間という資源を何にどれだけ配分すれば、よりリターン(成果)を得られるのかを、どの年代よりも考え抜かないといけません。成果につながる要因を見極め、そこに大胆に時間を集中投下するのです。
そのためには、仕事で成果を生み出すための本質がわかっていなければいけません。あらゆることに均一に労力をかけられるほど、40代の時間資源は潤沢にはないのです。
【ルール5】トレードオフの意識を持って「やめる」「捨てる」「数を絞る」
時間は有限ですから、トレードオフの関係にあります。何かを行う時間は、別の何かを行えない時間でもあるのです。したがって、理想の時間割につくり変えていくためには、自分にとって重要なことを決めると同時に、自分にとって重要でないことも決めないといけません。
英語の勉強に時間を割きたいなら、何かをやめる勇気が必要です。そのバランスを取ろうと必死に作業自体の効率化を図っても、決して新たな時間をつくることはできないと、後悔を抱える諸先輩たちは口を揃えています。
やるべきことの数をいたずらに増やさないことが大切なのです。20代や30代の時間術は、「タスクの拡散」が自分の可能性を広げ、前向きな負荷がかかることでストレッチ効果を生み出していましたが、40代の時間術は「タスクの収束」によって、やるべきことの磨き上げをしないといけません。40代は「何に」時間を投資するかという選択自体が、大きな意味を持つのです。
【ルール6】ゴールを明確にした抜本的な「プロセス改善」を行う
仕事の効率化はどの年代でも重要ですが、40代は個別の作業のスピードアップだけでなく、成果につながるプロセス自体を根本的に変える努力が求められます。小さな改善の積み上げだけでは時間割を変えることはできません。そうではなく、最初に目的や到達点を明確にして、今とゴールを一気につなげられるような、達成への道筋を大きく変える工夫をするのです。
詳しくは『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』でご紹介していますが、経営コンサルタントがよく使う仮説思考や仕事のテンプレ化や仕組み化、物の見方を変える意思決定の方法などが、ゴールへとジャンプするプロセス改善の手助けをしてくれるでしょう。
また、30代までは自身の能力だけで対処できますが、40代になると、それだけでは回せないことが増えてきます。他人をマネジメントする比重が増え、上司や部下とのコミュニケーションも一層重要になるからです。
そのためには、「チームを使った問題解決」や「上司・部下を使った生産性アップ」などの、解決策のバージョンアップが必至です。自分一人で仕事を抱え込んでいては、遅かれ早かれパンクしてしまいます。部下に上手に仕事を振り、チームで共有・解決していくスタイルに移行していかなければなりません。
さらに、アウトプットはインプットの精度で決まりますから、誰と付き合うか、どんな情報を得るのかも、30代とは大きく変わってきます。
【ルール7】習慣を手なずけ、パターン化によって生活をシンプルにする
時間の使い方がうまい人は、実は生活がパターン化しています。毎日必ずやることが決まっているほうが、持ち時間を把握しやすいからです。朝は何時に起き、何時に出社し、何時に帰るという行動パターンから、出社したら最初に取りかかること、仕事内容に応じた午前と午後の使い分け、企画書作成時の段取りといった仕事のルール決めまで、やるべきことが明確になっているほど、時間の色分けが上手にでき、実現可能な時間割が組みやすくなるのです。
これは定例会議のスケジューリングと似ています。最初から毎週何曜日の何時に行うという決まりがあると、その時間帯を外した予定が組みやすくなります。これと同じことを自分ルールをつくって継続している人が、成功者にはとても多いのです。パターン化やルール化によって行動をシンプルにしたほうが、突発的なことにも対応できます。生活リズムを整えることが、結果的に大きな効率化になるのです。
この7つが、時間の使い方の上手な諸先輩たちに共通するルールです。細かい実践法にはさまざまな違いがありますが、一万人の後悔から導き出せる時間の使い方には、ある種の法則性があるのです。
みなさんもピンとくるものからで構いませんので、自身のワークスタイルに当てはめて試してみてください。もちろん、一つでも二つでも構いませんし、業務に合わせて改良するのも大歓迎です。ただ、必ず行動に移してください。
私自身も、先人の教えを試しながら自分流に変えていきましたが、実際の行動からしか時間割の最適化はできないと実感しています。それは時間というものが、自分の習慣や行動、そして生き方に密接に関わっているからです。
あなたの人生の主役は、あなたです。あなたが時間の使い方で40代を後悔することがないよう、さらにはもう一歩進めて、「忙殺感」ではなく「幸福感」を味わうために、これから紹介する先達の智慧を最大限に活用してください。
後悔しない40代の時間術「7つのルール」
第1回でご紹介したように、私はリクルートでの新規開拓営業の時代からこれまで、大企業・中小企業の経営者、管理職、定年退職者など1万人を超える人たちの成功談や失敗談を聞いてきました。
彼らが半生を振り返って最も後悔している年齢が40代であること、そしてその後悔が最も集中しているのが「時間の使い方」だということもご紹介しました。
1万人インタビューから成功者の法則をまとめると、40代で上手に時間を使えた人には、大きく分けて「7つのルール」があります。うまくいっている先輩たちの実践法は実にバラバラですが、考え方のポイントをまとめると、この7つを上手に工夫していることがわかります。では、一つずつ解説介していきましょう。
【ルール1】現実に即した作業時間や、自分の持ち時間を正確に見積もる
時間における問題の多くは、作業にかかる時間を少なく見積もっていたり、自分の持ち時間が限られていることを理解していないのが原因です。人は不思議なくらい、一つの仕事にかかる時間を少なく考える習性があるようです。一説には、実際の作業時間は見積もりの1.5倍かかるとも言われています。
また、毎日の生活の中で自由になる時間はかなり限られていることを知る必要もあります。睡眠時間や食事の時間、会議の時間、突発的に起きる出来事も勘案すれば、24時間を自由に使えると考えることが、いかに妄想に過ぎないかがわかります。
現実的にかかる時間を正確に把握し、やるべきことを上手に振り分けていかない限り、スケジュールの破綻は免れないのです。多くの人は少ない時間に多くのタスクを割り振り、最初から実現不可能なスケジュールに翻弄されているともいえるのです。
ドラッカーが時間を記録せよと主張したように、行動を記録して、自分が想定していた時間と実際にかかった時間の間にどれくらいのずれが生じているのか、そのボトルネックが何かを考えていくことが大切です。
【ルール2】見えない時間を「色分け」して見える化し、きちんと計画を立てる
時間は目に見えないので、捉え方が非常に難しいものです。時間をどうつかまえるかが、時間の使い方がうまい人と下手な人との差になります。
では、上手な人はどうしているかというと、時間を「色分け」して管理しています。全体で見ると捉えどころのない時間を、細かく色分けすることによって、いわば「見える化」しているのです。
ちなみに色分けとは、手帳などで色を書き分けるということではなく、「出社前」「就寝前」「移動のすきま時間」とか、「企画をじっくり考える時間」「報告書をまとめる時間」「のんびり過ごす自分時間」などのように、時間にラベルを貼って区分するという意味です。
色分けしなければ何を優先するかもわからなくなり、目の前にあることだけをやってしまったり、想定外の出来事に常に振り回されるはめになります。放っておけば、40代は他人に時間を奪われることが日常茶飯事でしょう。そうならないためには、時間に色を付けて扱いやすくしながら、きちんと計画を立てることが大切です。
時間の色分け法や計画術、タスクの振り分け方、ずれた予定の調整法など、詳しいやり方は新刊『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』でご紹介していますので、ご一読いただければと思います。
【ルール3】作業時間を区切り、「終わらせ方」を常に意識する
色分けして計画を立てることには、仕事をある程度のかたまりに細分化して、やるべきことを明確にしておく意味もあります。
多くの人は仕事を大きなかたまりで捉えています。しかし、それでは作業時間がまったく読めません。端からやっていくと別のやるべきことが発生し、またそちらに囚われてしまい……と、結局、時間が足りなくなり、中途半端に終わってしまいます。
一日に行う仕事がたった一つだけという人はいないでしょう。多くの人は複雑に絡み合った複数の仕事を同時に抱え、ある程度の期間の中で行っています。タスクの細分化は、一つの作業にどのくらいの時間がかかるかを把握し、実行しやすくするのです。細分化したタスクに計画した時間を振り分けていないと、一つの仕事に必要以上の時間を取られてしまいます。
さらに、細かく分けた仕事を予定通り行うためには、一つ一つの作業に30分とか60分などのデッドラインを設定しておく必要があります。タイマーで作業時間を計るなどして、常にタイムリミットを意識した仕事のやり方を心がけることが求められます。
ただし、これは何でもかんでも仕事を細切れにして、時間に追われながら行うということでは決してありません。仕事には「マルチタスク」で短時間に行うものもあれば、「シングルタスク」でじっくりと時間をかけて行うものもあります。まとまった時間を計画的に確保するためにも、色分けして、タスクの細分化を行い、時間を計りながら行う必要があるのです。
また、立てた予定が狂う原因には、見積もった時間内に終わらないため、もう少しだけやろうとか、区切りが悪いのであとちょっと続けよう、と感じる心理的抵抗があります。完璧主義の人ほど、その傾向があるかもしれません。
そのときに大切なのが、作業の「終わらせ方」です。計画した時間割を狂わせずに、同時に仕事のパフォーマンスも落とさずに進めるためには、「終わらせる時間」を決めて守ることがカギになるのです。
もちろん、単に終わらせるだけでは問題は解決していませんので、再びやるべきタスクを“ならして”計画に落とし込むことが必要です。そのリスケ法やタスクの振り分け方なども、書籍『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』では詳しく解説していきます。
【ルール4】自分にとって本当に重要なことを優先できるように「時間配分」を変える
これまで述べてきたように、40代の時間術において最も重要なのは、他人に振り回されながら自然とでき上がった時間割を、自分の価値観や本当に望む人生に沿った時間割につくり変えることです。
時は金なりと言われますが、時間はお金を超えた究極の「人生資源」だとさえいえます。それも、お金のように増やすことができず、全体でどのくらい持っているのかさえわからない、実にやっかいな資源なのです。もしかしたら明日、その資源が突然枯渇する可能性だってあります。
だからこそ、限りある資源を何にどう配分するかを真剣に考えなくてはいけません。でも、本来ならお金と同じように、ポートフォリオを組んで配分するようなものであるにもかかわらず、やっている人はほとんどいないでしょう。結果、自分にとってはどうでもいいことに、人生で最も貴重な資源を配分しているのです。
そうならないためには、思い切って配分を変え、新しい時間割をつくり出すことです。正解は一つではなく十人十色なので、自分なりの納得解をどう考えるかになります。
このことは、仕事の進め方においても同じことがいえます。忙しい40代にとっては、限られた時間という資源を何にどれだけ配分すれば、よりリターン(成果)を得られるのかを、どの年代よりも考え抜かないといけません。成果につながる要因を見極め、そこに大胆に時間を集中投下するのです。
そのためには、仕事で成果を生み出すための本質がわかっていなければいけません。あらゆることに均一に労力をかけられるほど、40代の時間資源は潤沢にはないのです。
【ルール5】トレードオフの意識を持って「やめる」「捨てる」「数を絞る」
時間は有限ですから、トレードオフの関係にあります。何かを行う時間は、別の何かを行えない時間でもあるのです。したがって、理想の時間割につくり変えていくためには、自分にとって重要なことを決めると同時に、自分にとって重要でないことも決めないといけません。
英語の勉強に時間を割きたいなら、何かをやめる勇気が必要です。そのバランスを取ろうと必死に作業自体の効率化を図っても、決して新たな時間をつくることはできないと、後悔を抱える諸先輩たちは口を揃えています。
やるべきことの数をいたずらに増やさないことが大切なのです。20代や30代の時間術は、「タスクの拡散」が自分の可能性を広げ、前向きな負荷がかかることでストレッチ効果を生み出していましたが、40代の時間術は「タスクの収束」によって、やるべきことの磨き上げをしないといけません。40代は「何に」時間を投資するかという選択自体が、大きな意味を持つのです。
【ルール6】ゴールを明確にした抜本的な「プロセス改善」を行う
仕事の効率化はどの年代でも重要ですが、40代は個別の作業のスピードアップだけでなく、成果につながるプロセス自体を根本的に変える努力が求められます。小さな改善の積み上げだけでは時間割を変えることはできません。そうではなく、最初に目的や到達点を明確にして、今とゴールを一気につなげられるような、達成への道筋を大きく変える工夫をするのです。
詳しくは『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』でご紹介していますが、経営コンサルタントがよく使う仮説思考や仕事のテンプレ化や仕組み化、物の見方を変える意思決定の方法などが、ゴールへとジャンプするプロセス改善の手助けをしてくれるでしょう。
また、30代までは自身の能力だけで対処できますが、40代になると、それだけでは回せないことが増えてきます。他人をマネジメントする比重が増え、上司や部下とのコミュニケーションも一層重要になるからです。
そのためには、「チームを使った問題解決」や「上司・部下を使った生産性アップ」などの、解決策のバージョンアップが必至です。自分一人で仕事を抱え込んでいては、遅かれ早かれパンクしてしまいます。部下に上手に仕事を振り、チームで共有・解決していくスタイルに移行していかなければなりません。
さらに、アウトプットはインプットの精度で決まりますから、誰と付き合うか、どんな情報を得るのかも、30代とは大きく変わってきます。
【ルール7】習慣を手なずけ、パターン化によって生活をシンプルにする
時間の使い方がうまい人は、実は生活がパターン化しています。毎日必ずやることが決まっているほうが、持ち時間を把握しやすいからです。朝は何時に起き、何時に出社し、何時に帰るという行動パターンから、出社したら最初に取りかかること、仕事内容に応じた午前と午後の使い分け、企画書作成時の段取りといった仕事のルール決めまで、やるべきことが明確になっているほど、時間の色分けが上手にでき、実現可能な時間割が組みやすくなるのです。
これは定例会議のスケジューリングと似ています。最初から毎週何曜日の何時に行うという決まりがあると、その時間帯を外した予定が組みやすくなります。これと同じことを自分ルールをつくって継続している人が、成功者にはとても多いのです。パターン化やルール化によって行動をシンプルにしたほうが、突発的なことにも対応できます。生活リズムを整えることが、結果的に大きな効率化になるのです。
この7つが、時間の使い方の上手な諸先輩たちに共通するルールです。細かい実践法にはさまざまな違いがありますが、一万人の後悔から導き出せる時間の使い方には、ある種の法則性があるのです。
みなさんもピンとくるものからで構いませんので、自身のワークスタイルに当てはめて試してみてください。もちろん、一つでも二つでも構いませんし、業務に合わせて改良するのも大歓迎です。ただ、必ず行動に移してください。
私自身も、先人の教えを試しながら自分流に変えていきましたが、実際の行動からしか時間割の最適化はできないと実感しています。それは時間というものが、自分の習慣や行動、そして生き方に密接に関わっているからです。
あなたの人生の主役は、あなたです。あなたが時間の使い方で40代を後悔することがないよう、さらにはもう一歩進めて、「忙殺感」ではなく「幸福感」を味わうために、これから紹介する先達の智慧を最大限に活用してください。