中国の株式市場をめぐり二つの不釣り合いな勢力がせめぎ合っている。大惨事はまだこれから起こりそうな予感だ。
中国政府は株式相場に底値があることを証明しようと無秩序な戦いを繰り広げている。投資家の取引能力を抑制し、株を買い支える直接介入に出るなど、市場の効率的な価格発見をほぼ阻止している。
一方で、国内の景気減速と人民元安、資本の流出、割高な株価、過剰なレバレッジといった苦い現実がこれに立ちはだかる。中国の投資家は、得てして現実が勝利を収めることをあらためて思い知らされている。
2日連続での暴落を防ごうと、中国政府は銀行間市場に流動性を供給し、上場企業の株式5%超を保有する投資家を対象にした株式売却禁止期間の延長を示唆した。上海、深センの主要300銘柄で構成するCSI300指数は5日の取引終了45分前に3%安となっていたが、その後に急回復して0.25%高で引けており、昨夏しばしば見られた政府による株買いが実施された可能性がある。中国人民銀行(中央銀行)も為替市場に介入し、元相場を下支えした。
投資家は一息つく暇もない。2015年の上昇分をほぼ帳消しにしたとはいえ、株価は恐らくまだ割高だ。シティグループは、投資家がかなり以前に損切りしていた銀行株を除けば、CSI300指数の向こう1年の予想PERは20倍程度だと指摘する。約35倍に達していたピークに比べれば相当低いが、中国市場がバブル期に入った14年下期までの3年間は十数倍で取引されており、これを大きく上回る水準だ。
香港と中国本土に上場している中国企業株の価格差を示すハンセン中国AHプレミアム指数によると、本土上場の人民元建てA株が香港上場の中国本土株(H株)よりも38%割高となっている。5年平均は8%だ。
さらに、中国の株式市場はレバレッジ比率も高く、いずれその解消が起こるはずだ。公式の信用取引額は1兆2000億元(約22兆円)に上る。ピーク時からはほぼ半減したものの、14年半ばからの株式ブームが始まる前に比べ依然として2倍近い水準にある。
では、底値としてしかるべき水準とは、どの程度だろうか。中国政府は市場の価格発見機能に任せたほうがいい。企業の業績や成長に改善がほとんど見られないことを踏まえれば、現行水準より下がる公算が大きい。だが中国が抵抗する限り、現実への道のりは険しいものとなるだろう。
中国政府は株式相場に底値があることを証明しようと無秩序な戦いを繰り広げている。投資家の取引能力を抑制し、株を買い支える直接介入に出るなど、市場の効率的な価格発見をほぼ阻止している。
一方で、国内の景気減速と人民元安、資本の流出、割高な株価、過剰なレバレッジといった苦い現実がこれに立ちはだかる。中国の投資家は、得てして現実が勝利を収めることをあらためて思い知らされている。
2日連続での暴落を防ごうと、中国政府は銀行間市場に流動性を供給し、上場企業の株式5%超を保有する投資家を対象にした株式売却禁止期間の延長を示唆した。上海、深センの主要300銘柄で構成するCSI300指数は5日の取引終了45分前に3%安となっていたが、その後に急回復して0.25%高で引けており、昨夏しばしば見られた政府による株買いが実施された可能性がある。中国人民銀行(中央銀行)も為替市場に介入し、元相場を下支えした。
投資家は一息つく暇もない。2015年の上昇分をほぼ帳消しにしたとはいえ、株価は恐らくまだ割高だ。シティグループは、投資家がかなり以前に損切りしていた銀行株を除けば、CSI300指数の向こう1年の予想PERは20倍程度だと指摘する。約35倍に達していたピークに比べれば相当低いが、中国市場がバブル期に入った14年下期までの3年間は十数倍で取引されており、これを大きく上回る水準だ。
香港と中国本土に上場している中国企業株の価格差を示すハンセン中国AHプレミアム指数によると、本土上場の人民元建てA株が香港上場の中国本土株(H株)よりも38%割高となっている。5年平均は8%だ。
さらに、中国の株式市場はレバレッジ比率も高く、いずれその解消が起こるはずだ。公式の信用取引額は1兆2000億元(約22兆円)に上る。ピーク時からはほぼ半減したものの、14年半ばからの株式ブームが始まる前に比べ依然として2倍近い水準にある。
では、底値としてしかるべき水準とは、どの程度だろうか。中国政府は市場の価格発見機能に任せたほうがいい。企業の業績や成長に改善がほとんど見られないことを踏まえれば、現行水準より下がる公算が大きい。だが中国が抵抗する限り、現実への道のりは険しいものとなるだろう。
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