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中国の地方債務、2年半で7割増 「隠れ借金」映す

2014年01月10日 07時44分05秒 | 経済
中国の審計署(会計検査院に相当)は30日、地方政府の直接・間接の債務残高が2013年6月末時点で17兆8909億元(約310兆円)に上ると発表した。「隠れ借金」との批判が強い地方政府傘下の投資会社(融資平台)の債務も含まれ、10年末に比べ約7割も増えた。国と地方を合わせた政府全体の債務残高は30兆元を超え、名目国内総生産(GDP)の6割近い水準に達している。


中国では地方のインフラ投資が債務を膨らませている
 審計署は8月から地方債務の実態調査に着手。前回の10年末時点より調査対象を広げ、日本の町に当たるような小規模自治体の債務も集計した。この結果、10年末時点で10兆7千億元だった地方政府の債務残高は17兆8909億元に膨らんだ。

 内訳では、地方政府が返済に直接責任を負う債務が10兆8859億元だったほか、地方政府が担保を差し入れ、関係機関の債務返済を実質的に保証している分が2兆6656億元に上った。債務保証をしていないものの、債務者である関連機関が返済困難に陥った場合に一定の支援を提供する可能性がある債務も4兆3394億元あった。

 中国では、地方政府に代わって融資平台という傘下の投資会社が資金調達や道路などのインフラ投資を行う。高利回りの「理財商品」などを通じて個人や企業の資金が地方のインフラ投資に流入し、金融当局の規制が緩い「影の銀行(シャドーバンキング)」が膨らむ原因となっている。

 今回の調査結果でも、地方政府の債務全体のうち、融資平台による債務が4割近くを占めた。中国は08年のリーマン・ショック後、4兆元に上る大型景気対策を打ち出したが、財政資金が足りない地方政府は競って融資平台をつくった。こうした「隠れ借金」の実態が不透明なことから、中国の財政、金融リスクへの懸念が高まっていた。

 今回の調査では、国の債務残高についても発表した。13年6月末時点で国債など直接返済に責任を負う債務は9兆8129億元。政府が実質保証している分や、政府による返済支援の可能性がある分を含めた全体は12兆3841億元だった。

 国と地方の直接・間接の債務残高は全体で30兆2750億元に上り、12年末時点の名目GDPに対する比率は約58%に上る。返済に直接責任を負う債務だけなら20兆6989億元で、GDP比は約40%となる。欧州などで財政の健全性の目安とされる「60%以下」を下回る水準のため、中国政府は財政の健全性はなお高いと強調している。ただ地方政府は投資に過度に依存する経済モデルから抜け出せていないため、債務が今後も増加を続ける恐れはぬぐえない。

 中国では地方政府が独自に様々な資金調達手法を手掛け、債務の全体像を把握することが難しい。審計署による調査が中国政府の公式見解だが、全国調査が前回実施されたのは11年春。その後、市場では中国の債務リスクへの懸念が急速に強まり、地方債務だけで20兆元前後に上るなどとの観測が飛び交っていた。

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