●ユーザとコンピュータとの交流
ユーザとコンピュータの関係は、図1-1に示したように、それぞれの情報処理の
結果をやりとり(インタフェース)しながら仕事を進めていくところに特徴がある。
たとえば、用紙の上部にタイトルを入れたいとするユーザの意図が発生したとする。まず「書式」メニューを開けて、「ヘッダー設定」というメニューが意図を実現するのに使えることを理解する(情報処理する)。それをクリックすると、コンピュータのほうからさらに仕様指定のフォームが返ってくるので、それに必要事項を入力して実行キーをクリックすると、ユーザの仕事の意図が実現される。
こうした一連の情報交流を何度も繰り返しながら、一つの仕事を完成させていく。この情報交流を最適化する、換言すれば、情報交流の中にわかりやすさを作り込むにはどうするかが、認知的インタフェースの課題になる。
ユーザとコンピュータとの自然な交流を妨げているのは、新奇な機械に直面して既有知識が使えないユーザ側にもあるが、ここでは、もっぱらコンピュータ側の問題を2つだけ指摘しておく。
一つは、情報交流の直接性の欠如がある。ユーザが何かをしたら、何かが起こるのではなく、何かをしても、時間的に任意の遅れの後に事が起こっても、また、目の前にない遠方で事が起こることもある。これは、自分の行為がどんな結果を引き起こすかの因果認識を妨げることになり、結果として、ユーザに何が何やらわけがわからない不安さえ抱かせることになる。
2つは、情報交流の同型性の欠如である。ユーザがおこなう操作とその結果として起こることとの間になんらの自然の対応(マッピング)がない。すべてが約束事、それもかなり恣意的な約束事によって対応づけられている。そこには、ユーザに対して、過剰なまでの規則の記憶圧力が働く。 インタフェースにわかりやすさを作り込みには、したがって、直接性と同型性の欠如を補うことが中心的な課題となる。
ユーザとコンピュータの関係は、図1-1に示したように、それぞれの情報処理の
結果をやりとり(インタフェース)しながら仕事を進めていくところに特徴がある。
たとえば、用紙の上部にタイトルを入れたいとするユーザの意図が発生したとする。まず「書式」メニューを開けて、「ヘッダー設定」というメニューが意図を実現するのに使えることを理解する(情報処理する)。それをクリックすると、コンピュータのほうからさらに仕様指定のフォームが返ってくるので、それに必要事項を入力して実行キーをクリックすると、ユーザの仕事の意図が実現される。
こうした一連の情報交流を何度も繰り返しながら、一つの仕事を完成させていく。この情報交流を最適化する、換言すれば、情報交流の中にわかりやすさを作り込むにはどうするかが、認知的インタフェースの課題になる。
ユーザとコンピュータとの自然な交流を妨げているのは、新奇な機械に直面して既有知識が使えないユーザ側にもあるが、ここでは、もっぱらコンピュータ側の問題を2つだけ指摘しておく。
一つは、情報交流の直接性の欠如がある。ユーザが何かをしたら、何かが起こるのではなく、何かをしても、時間的に任意の遅れの後に事が起こっても、また、目の前にない遠方で事が起こることもある。これは、自分の行為がどんな結果を引き起こすかの因果認識を妨げることになり、結果として、ユーザに何が何やらわけがわからない不安さえ抱かせることになる。
2つは、情報交流の同型性の欠如である。ユーザがおこなう操作とその結果として起こることとの間になんらの自然の対応(マッピング)がない。すべてが約束事、それもかなり恣意的な約束事によって対応づけられている。そこには、ユーザに対して、過剰なまでの規則の記憶圧力が働く。 インタフェースにわかりやすさを作り込みには、したがって、直接性と同型性の欠如を補うことが中心的な課題となる。