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「組織としての事務ミスを防ぐ」

2012-03-11 | Weblog

「組織として事務ミスを防ぐ」

①    「ヒヤリハット情報」を共有する

一人でおかすミスは限定されていても、組織のメンバーそれぞれがおかすミスを集めれば、かなりの数と種類になるはずです。

   そのためには、組織の安全文化の中に、ミスは誰もがおかすもの、したがって、隠しだてはしない、という共通認識をまず共有する必要があります。そのうえで、ミス情報をメンバーが共有できるシステムを作ることになります。

 かつて本誌39号で、「やいがや(わいわいがやがや)会議」を提案したことがあります。自らのミスを開示してメンバー間でミス情報を共有してすることを企図したものです。

②稟議を実効のあるものにする

「書類に印鑑がずらり」は、事務書類ではごく普通です。稟議です。ほとんどがめくら判になりますが、時には、とても重要な案件が紛れ込むことがあります。

 稟議は、ミス防止の観点からすれば、安全工学で言う、多重チェックになります。ひとりが見逃したミスも、次の人によって気がつくことを想定したシステムです。ミス防止には強力な方策の一つですが、ここにも、注意しなければならないことがあります。

 それは、責任の社会的分散と社会的手抜きです。

 「あの人がオーケーなら、まー大丈夫、次の人がチェックするからまーいいか」の連鎖で、結果としてとんでもないミスの発生となってしまうことです。

 書類だけでの稟議には、この危険性が高くなりますので、案件の重要度に応じて口頭、面談での稟議も必要です。手間隙がかかりますので、仕事の重要度い応じた仕分けが必要となるところです。

①    組織のミス文化を変える

「ミスにやさしい組織は人にもやさしい」

「ミスを憎んで人を憎まず」

こうした考えが貫徹している組織は、ミスに強いというのが私の長年の観察から得た信念です。

 組織での仕事には、ミスゼロを志向しなければならない領域もありますが、それでもミスがおこるのが人間ですし、人間の作った組織です。

さらに、一方では、むしろミスにめげずに挑戦しなければならない領域もあります。「怪我の巧妙」が必須の領域もあるのです。

そのことを組織として共通の認識とすれば、角を矯めて牛を殺してしまうようなことにはならないと思います。


薬局における鑑査という業務におけるミス

2012-03-11 | ヒューマンエラー

 

 

---薬局における鑑査という業務について、どのようにお感じですか。

海保 今回、薬局で鑑査という作業をしていることを初めて知りましたが、鑑査は、一般的に言えば「確認」の作業に当たります。確実性を求められる重要な作業ではあります。

ただ、鑑査のおかれた環境は、他業種に比べてさほど過酷ではないように感じます。 というのは、時間に余裕があるからです。バスや電車の運転士とか、飛行機のパイロットとかいう人たちの仕事の時間の流れとは違って、ある程度、自分で仕事の流れをコントロールできる時間的な余裕があるからです。確認作業ということに対する知識とスキルを持って、それを意識的に行えます。

 実際には、のんびりやっていたら、患者さんに「早くしろ」と言われるかもしれませんが、かといって、自分が作業を一時ストップしても、それで何か起こるわけでありません。

切迫した状況で作業をすると、あわててエラーをしてしまう怖さがあります。ブレーキとアクセルを踏む、間違えるようなミスです。

 鑑査は、自分のペースでできます。ですから、鑑査のテクニックをしっかり学んだり、同業者がどういう工夫をしているを知り、それを自分が意識的に使って監査をよりミスのないものにできます。

 

---特集では、鑑査の具体的な工夫がいろいろと集まりました。これらをご覧になって、いかがですか。

海保 確認作業には、「ダブルチェック」「動き」「見える化」の3つが大切です。「声を出しながら確認する」というのは、目で見て、声に出すという意味では「ダブルチェック」でもあるし、「動き」でもある。指を差したり、処方箋に丸を付けたりというのは、「動き」でもあり、「見える化」でもあります。この3つをうまく組み合わせることで、確認作業の精度が増します。調査に寄せられた実例を見ると、みなさん上手に工夫をされていると思います。

 

---鑑査の方法をルール化している薬局もありましたが、ルール化は、した方がよいのでしょうか。

海保 ルール化は、確認の大事さを全員で共有するという意味では重要です。「調剤と鑑査は別の人間が行う」といったルールであれば、組織としてのマネジメントにもつながります。

 ただ、ルール化してしまうと、すぐに慣れてしまい、例えばダブルチェックをしても、それが機能しなくってしまう場合があります。彼がやったんだから自分はいいやとか、彼女がやったなら間違いないだろう、とかいうものです。責任が分散してしまうのです。

 これは、心理学の世界では「社会的手抜き」とか「フリーライダー」(ただ乗り)とか言います。人間は横着な存在です。意識せずに力を抜いてしまうのです。しかも鑑査は、1000回に1回くらいしか起こらないミスを見つけることが目的なわけですから、自分だけに責任がないなら、ついついて手抜きをとなりがちです。

 

---ルール化すると、作業に慣れが生じてしまうことも心配です。

海保 そうです。ルール化には、社会的手抜きのほかに、次第に、その作業に注意を払わなくなるというリスクもあります。「確認行為」はしているんだけど、実際に「確認」はしてない。これは確認作業に伴うパラドックスなんです。

 指差し確認をした。してはいるんだけど、指を指しているだけで、頭の中では「今日の昼飯は、何を食おうかな」と考えているとかね(笑)。

 厳格なルールを作ると、どうしてもそういうことが起きてくる。確認作業では、形骸化が一番怖いんです。一般に、エラーの発生確率が低いほど、確認作業が形骸化しやすいとされています。

 社会的手抜きや形骸化を防ぐには、作業に、自分なりの工夫を入れ込むこと、それを意識的に行うことが大事です。人に言われたからやるのではなく、自分の意志で確認する主体性が大事です。

 ですからルールは、「ここは2人で確認する」くらいにして、どっちが先にやるかとか、具体的なやり方については、現場で話しあいをして、時々変えてみるというのがよいと思います。

 

---「ここで指を差す」なんていうのは、決めちゃいけないわけですね。

海保 いや、大事なところなら、そうした取り決めも必要でしょう。ただ、そこに個人の工夫ができる余地は残しておく。極端な例ですが、指差し確認の手の角度を何度にして、なんていうルールを決めているようなケースもあるんですよ。声出しは、大きな声でとか。

 でも、そこは、その人なりにやっていい。その工夫を、個人がしているかどうかが大事なんです。確認が効果的になるように、自分なりに、決められた範囲内で工夫するということです。それが、確認行為の形骸化を防ぐことになるからです。

 例えば、いつも右手で確認するんじゃなくて、今週は左手でやってみようとか。つまらないことかもしれませんが、これだけでも、確認の意識改革ができる。あるいは、いつもは50cm離れて処方箋を眺めているのを、今日は指で触って指差し確認をしようとか。自分なりに工夫をすることで意識化ができますから、社会的手抜きなどによるミスも防げます。

 

---鑑査の精度を高めるために、休憩を取るというのは有効でしょうか。

海保 休憩は大切です。集中して作業をしていると、自分自身が疲れていることになかなか気付きませんから。これもパラドックスで、一生懸命やっているほど疲れを感じない、でも、実際は疲れていて、効率は落ちている、ということになります。

 ですから、何時になったら休むとか、何時間やったら休むとか、強制的に決めておく必要があります。60分か90分ごとに休みをとるというのが目安です。

 昼寝もおすすめです。30分くらい寝る。昼休みに同僚としゃべるなんて時間がもったいない。しゃべるって、結構疲れるでしょう。気を使うからリラックスにはならない。午後に備えて、昼寝をするのが一番です。しゃべって飲むのは夕方から、ということで(笑)。

 

---鑑査をしている人には、電話をとりついだり、話しかけたりしないという工夫もいくつかありました。

海保 鑑査に限らず、ミスを防ぐには重要です。仕事を効率よく進めようとすると、色々なことを並行してやってしまうようになります。これを「多重課題」といいますが、これがミスの引き金になる。車を運転しながら、携帯電話を使って事故といったようなものが代表的です。

 でも現実には、頭の中まで含めれば、誰もが常に多重課題をやっているんです。考え事をしながら仕事をするというやつです。「あの仕事はどうしようか」などと考えながら作業をしてしまう。

 これを避けるには、考えなければいけないこと、あとでやらなければいけないことを、全部書き出しておくのが効果的です。これを「外化」といいます。看護師さんが、やらなくちゃいけないことを手の甲に書いたりしているのを見ますよね。あれが外化です。作業にせよ、考え事にせよ、目の前の作業と並行してやるんじゃなくて、書き出しておいて、後で順番にやる。ToDoリストを作って、作業を系列化、シリアル化することで、多重課題を避けるわけです。

 とにかく書き出すことで、頭の中から外に出せますから、今やっている仕事に集中できるようになるはずです。

 


心理学の資格

2012-03-11 | 教育

いろいろの心理学会が認定している資格のうちから
取得者数の多いものを紹介します
①臨床心理士(大学院卒)23005人
②産業カウンセラー 37000人
③認定心理士 35400人
④学校心理士(大学院卒)3800人
⑤臨床発達心理士 3126人
⑥特別支援心理士(大学院卒)3018人
⑦認定健康心理士 1497人 <<健康・スポーツ心理学科では、この資格がとれるカリキュラムになっています


心は庭「名言の心理学

2012-03-11 | 名言の心理学

 

  心は庭と同じです。
理知的に管理する人もいれば、
ほったらかしにしている人もいます。いずれにしても、生きているかぎり、
心という庭からは必ずなにかが生まれてきます。

(ジェームズ・アレン『あなたの願いがかなうとき』)

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心を庭にたとえた巧みさ。

庭なら手入れが必要。

自分でもできるし、庭師に丸投げすることもできる。

手におえなくなっての丸投げはあってもよいが、

そこへいくまでには、自分なりにこまめな手入れをしたいもの。

良い考え

美しい思い

正しい考え

つまり、ポジティブ思考をベースにした手入れの習慣が、心の庭をすてきなものにしてくれる。

そんな庭を毎日眺めながら、歓びに満ちた心で生活したいもの。


図書についての初期記憶;図書館と情報保護

2012-03-11 | 教育
  • 図書についての初期記憶;図書館と情報保護

中学時代、女性教師との面談を終えて帰宅した母親から「先生が“赤っぽい本を読んでいる“と言ってたよ」の一言。“赤っぽい”とは、当時では、共産党を意味する言葉。図書館でロシア革命の解説本を借り出して何冊か集中して読んでいた記憶がある。これが今現在のーー回想はその時々で変わるのが常――図書についての初期記憶である。

とりたてて、これで母親や教師から叱責されたとか言う記憶はない。それよりも、そうしたやや早熟な秘密を知られたことの悔しさのようなものがあって、記憶に残り続けていたのかもしれない。


健康のためなら命もいらない

2012-03-11 | 健康・スポーツ心理学

健康のためなら命もいらない

(中村仁一「大往生したけりゃ医療とかかわるな 自然死のすすめ」幻冬舎新書)

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深刻でかつ考えたくないテーマ

しかし、この本は、自然死のすすめなのだが、

不思議と、勇気と希望をもらえる。

時折、爆笑しながら読んだ。

でも、これも自分が健康だからかも。

健康のためなら命もいらない。

強烈な皮肉精神も随所に。

生死一如にも共感。

健康な年寄りは必読の書。