やる気「やる気さえあれば恐いものなし」3-23
●やる気が起こらない
「やる気」の原稿を書こうとして3日。どうしても、やる気が起こらない(笑)。これではいけない、というわけで、ともかく書き始めてみました。
どうして「やる気」が起こらなかったかを内省してみます。
まず、頭のほうから。
①何を書くべきかがはっきりしない、決まらない
②すぐに心理学の知識に頼ってしまう(話がつまらなくなる)
次は、気持ちのほう。
③ぐずぐず状態から抜け出られない
④キーワード1個書くとエネルギーが枯渇してしまう
最後は、周り(状況)のほう・
⑤締め切りがない
⑥これを書く理由がはっきりしない
使命感がない
誰にために書くか不明
⑦書くことを期待されていない
●やる気を出すコツ
やる気を出すためには、上にあげた「やる気にならない」理由を一つ一つつぶしていけばよいことになります。やってみます。
「頭」
① 何を書くべきかがはっきりしない、決まらない
連想を働かせて、「やる気」から連想することを書き出してみるのです。やってみました。
「動機づけ 欲求駆動 目標駆動 目標への逐次的形成 やる気むんむん 使命感」
こんな言葉がすいすい出てきました。でも、次の②で述べるように、こんな用語をちりばめた原稿では、心理学の知識を持ち合わせていない読者からすると、ちっともおもしろくないですね。
なお、最近は、こうした自由連想のほかに、インターネットもよく使います。玉石混交ですが、書くべきことを触発する素材がたくさんでてきます。
ここで、「やる気」で検索(Google)してみます。なんと件数だけで、1280万件もヒットしました。ほんの数件みるだけでも頭が元気になり、やろうかなーという気持ちになります。
② すぐに心理学の知識に頼ってしまう(話がつまらなくなる)
この原稿をどのような読者に向けて何を訴えたいのかによるのですが、今回は、心には興味があっても、がちがちの心理学の話はごめん、という方々を想定しています。だからこそ、いつも心理学に頼った仕事しかしてこなかった自分には、素材選びから語り方まで慣れないことをすることになります。
余談になりますが、メルマガで2件、幸せ物語を受信しています。実に心温まる話がほぼ毎日送られてきます。まったく、心理学の用語は使われていないのですが、内容はきわめて心理学的なのです。そのいくつかは、教材にして授業で使わせてもらっています。
「気持ち」
③ ぐずぐず状態から抜け出られない
やる気を出すには、エネルギーが必要です。そのためには、燃料が必要です。燃料が枯渇していれば、やる気はおこりませんね。
疲れきっていないか
補給(休養)が十分でないか
がポイントになります。
実は、今の自分はいずれも、あてはまりません。睡眠も休養も十分ですから。
では、なぜ、やる気が起こらないのでしょうか。
車を考えてみてください。ガソリン満タンだけでは車は走りません。エンジンをスタートする必要があります。自分はこれができていないようです。
ふつうは、周りからの圧力――この中には、締切圧力もありますがーーが、スターターとなります。この原稿には、締め切りがないのです。これが、やる気を起こさせないのです。
④ キーワード1個書くとエネルギーが枯渇してしまう
この一連の原稿書きは、心を元気にするキーワードを思いつくたびに、書くことにしています。一個のキーワードを書いてしまうと、それで、一区切りです。次のキーワードを思いつくまでお休み。
かりにキーワードを思いついても、スターターが自分ですから、なかなか号砲を打たないまま、ということになります。
号砲を自分でならすためには、自分の場合は、まずは徹底的に怠けるようにしています(笑)。そして、自然にエネルギーの溜まるのを待ちます。
「周り(状況)」
⑤ 締め切りがない
締め切り効果にはすごいものがありますね。
これがあるから、仕事が完成するような感じさえすることがあります。
自分は、締め切りにめっぽう弱いのです。「弱い」の意味は、締め切りが近づいてくると、パニックってしまうのです。ですから、締め切り1週間前、1月前には、とりあえず終えているようにします。「とりあえず」とは、最悪、これでいいかなー、という程度までは仕上げておくという意味です。
この原稿も、こうしてなんとか書く気になれるのは、仮想的に勝手に設定してある締め切り効果のおかげなのです。
なお、余談。これまでかなりの数の本の編集をしてきました。編集本では、他の人に原稿を依頼することになります。そして、締め切りまでに原稿を書いてもらうことになります。ところがです。締め切りを守ってくれない人のほうが多いのです。実に驚くべきことですが、事実です。いうまでもなく、こういう人には、締め切り効果はまったく効き目がありません。
⑥ これを書く理由がはっきりしない
やる気には短期的なものと長期的なものとがあります。ここまで述べてきたことは、どちらかというと、短期的なやる気でした。こうした短期的なやる気は、ちょっとした工夫ときっかけで作り出すことができますが、1年、2年、さらには10年といった長期期間にわたるやる気となると、そうはいきません。
使命感が必要です。誰に何を伝えたいために書くかがはっきり意識できなければなりません。これがないと、書くというつらく孤独な作業を持続することができません。
これは、究極のやる気です。これさえあれば、実は、短期のやる気の有無なんて問題ではありません。
「心の元気づくり」の原稿書き。ここ2年くらい、世の中と自分を元気にせねばの思いでやっていますので、時折はくじけそうにはなりますが、なんとかここまでやる気が保てています。
⑦書くことが期待されていない
書く作業そのものは孤独ですが、書かれたものは社会性を帯びます。誰かが読んでくれます。というより、誰に読んでもらうかを想定して書きます。それが、書こうという気持ちを奮い立たせます。
自分の場合は、ブログを使ってそのあたりの環境を作っています。つまり、今こんな原稿を書いています、というアナウンスをしてしまうのです。ブログを読んでくれている人を巻き込んで、自分のやる気を出す状況作りをしてしまうのです。