相談者:
保険営業 / 39歳 / 男性
社長へ募る不信感。でも、今の顧客の事を考えると踏み切れません。
悩み:
保険の営業5年目です。業績は順調なのですが、社長の話に一貫性がなく、ビジョンもなく、思いつきで体制を変えるのにうんざりしています。
先日も、私から見ればマジメに勤務していた事務の女性を勝手に解雇し、解雇理由を聞くと「事務員に経費をかけるより、ダイレクトメールをして契約を増やしたい」とのこと。顧客管理もあいまいで、顧客の取り合いにならないよう営業同士気を使いながら仕事をしているので、社内の雰囲気はいつもよどんでいます。社長への不信感が渦巻いています。
そんな時にちょうど、他の保険会社にスカウトされて話を聞きにいくと、顧客管理・教育システム・福利厚生・給料面ともに納得いく内容でした。でも自分が担当しているお客様のことを考えるとやはり簡単に転職を考えることもできず、かといって今の社長にも納得がいかず、悩んでいます。このままダラダラ悩み続けるのは嫌なので決断したいのですが、前向きに決断をするにはどのように考えるべきでしょうか。
お答えします
● 社長談判という真正面からの解決もありますが
一貫性もなくビジョンもない社長では、会社の将来も不安ですね。恣意的な解雇など、コンプライアンス順守にも問題がありそうですね。
仲間を募って社長と談判して会社の将来を議論してみる正攻法をお勧めしたいところですが、社内の雰囲気がいつもよどんでいるようでは、社長に、部下の意見を聞き入れるようなところはなさそうですね。
●あなたのような営業マンの顧客であったら幸せ
個人的な話で恐縮ですが、最初の車を買った時の営業マンにこれまで20年以上面倒をみてもらっています。配転で営業所が変わっても、ずっとです。
そんな体験がありますので、営業マンと顧客の関係の深さは、私なりにわかります。
転職してしまうと、配転と違って、顧客ともどもというわけにはいきませんから、お悩みの点もよくわかります。
しかし、39歳。社長への不満を抱えての仕事より、これまでの営業技能と豊富な経験を活かして、これから新規の顧客開拓に挑戦してみるのも、仕事としておもしろそうだし、生きがいにもなるように思いますが、いかがでしょうか。
あなたのその「顧客大事」のお気持ちは、きっと成功へと導くものと確信しています。
● お客はあなたのもの?それとも会社のもの?
お客さまは、あなたのお客さまでしょうか。それとも、会社のお客さまでしょうか。難しいところですね。自分の場合は、会社よりその営業マンのお客と思っています。その営業マンが、別の会社に移れば、その会社の車を買うつもりです。
新会社に移られて、それまでのお客さまとは、一時的には疎遠になっても、長い営業活動の中でいくらでも修復できると思います。あなたが優秀な営業マンであればあるほど、修復の時間も短いと思います。
結論は、「きっぱりと転職すべし」です。スカウトされたのは、格好のチャンスです。
● 転職先の会社のチェックを
ただし、あなたの顧客リストだけが目当てというようなことは、まさかないとは思いますが、もうたぶん後がない39歳での転職です。スカウトされた会社を慎重にダブル、トリプルチェックをなさってから決断してください。あなたとその会社との間に仲介があれば、仲介によるチェックがひとつありますので、少し安心できますが、やはり、会社の方との直接面談に加えて、周辺の方からの情報収集も必要です。