大学生が、トップダウン型処理(top-down approach>を中学生もわかるように解説すると
私たちが見たり、覚えたり、考えたりすることを、情報処理過程として理解するときには、異なるタイプの処理過程を区別することが必要です。
その処理過程は2つに分けることができます。それはボトムアップ型処理と呼ばれる処理過程とトップダウン型処理と呼ばれる処理過程です。
トップダウン型処理というのは、見たものや聞いたものからの情報によって、低次なレベルからより高次なレベルへと情報処理が進むボトムアップ型処理とは異なり、私たちがすでに持っている知識や経験、期待によってなされる情報処理であり、概念駆動型ともよばれます。
例えば 「TДE CДT」 という文字を見たときに前半のДをHに、後半のДをAに読むのはトップダウン型処理です。
実際に私たちが認知するときには、トップダウン型処理とボトムアップ型処理の2つの過程が互いに補うように生じています。(YA)
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人間の脳はコンピュータのように、見たり聞いたりした情報を処理します。そして、私たちはその情報を理解したり解釈したりします。
概念駆動型処理とも呼ばれるトップダウン処理とは、人の記憶や知識をたよりに情報を解釈する仕組みです。例えば、お土産をもっていったときに、「つまらないものですが」と言うのをよく聞きますが、受け取る方は本当につまらないものだろうとは思いません。これは、日本人にはそのように謙虚にものを言う文化があることを、もともと知識として持っているからです。
また、目の前のできごとを、知識や記憶からできる期待や予測に、うまく合うように理解したりもします。
これとは反対の仕組みが、ボトムアップ処理で、データ駆動型処理とも呼ばれます。文字や音声などのそのままの情報をもとに全体を理解する仕組みです。例えば、「文字を見る」→「単語を理解する」→「文を理解する」→「文章を理解する」という段階をとります。
私たちはこの2つの仕組みを使って、目の前の情報を処理し理解しているのです。(YA)
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人間の能動的な情報処理にはトップ・ダウンアプローチとボトム・アップアプローチと言った2種類の仕組みがあり、これらは情報処理の方向性を表します。
トップ・ダウンアプローチ(処理)とは、私たちが、すでにもっている知識やその時々に頭に思い浮かんだ期待や仮説などの考えを先行させて、見ているもの・聞いている音・読んでいる文を理解する方式のことで、概念駆動型処理とも呼びます。すなわち、高次の水準にある概念や理論などから動かされ、入力データを予想や仮説、期待などのもとに処理していくもので、人間の記憶に依存することが大きい処理方法です。
トップ・ダウン処理とは、もっとわかりやすく言うと、高いレベルの情報が低いレベルの情報に影響を与える処理のことで、トップ・ダウン処理においては予想することが大きな役割を果たします。例えば授業中に居眠りしたとしても、予習などによって授業がどう進むのかがわかっていれば、次の要点はわかるのです。また、このトップダウン処理を読み方で考えてみると、テキストに書かれている1語1語の意味よりも、書き手の意図やテキスト全体の意味により注意を払いながら読みを進めていく読み方であると言えます。読解力の優れた学習者は、このようなトップダウン処理的な読み方をする傾向があると言われています。(KJ)
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もともと持っている知識、文脈、記憶、行為経験・動機などを助けにして、頭の中でイメージすることで、物事を考えるというやり方。
例えば私達が、犬が吠えているのを見て「犬が吠えている」と考えるのは、知識や記憶、経験から、今目の前にいる動物が犬という名前で、「わんわん」と発する声が、犬という動物の鳴き声である、と知っているからである。
このように、外からの刺激に対して、知識などの助けを借りて頭の中でイメージする方法をTop-Down Approachと呼ぶ。(AH)