コツ1での勉強嫌いの理由探しは、まったく子どもの個人的な認識の話であるが、ここでは、保護者目線での理由探しである。理由探しの観点は3つ。
まず、子どもの中に資質として勉強嫌いの原因がないかどうかである。
勉強嫌いに限らず、子どもの資質を冷静につかんでおくことは大事である。ただ、勉強嫌いのようなネガティブな面を資質に由来するものと決めつけてしまうと、えてしてあきらめにつながるので要注意ではあるが。
そうならないためには、ポジティブな資質とセットで考えることである。「勉強は嫌い、でもーーーは得意、好き」というとらえ方である。それによって、子どもとの余裕を持った交流ができるし、もしかすると、絡め手から(好きなことに関連づけて)勉強嫌いから脱却させることができるヒントが得られるかもしれない。
たとえば、得意なことをするまえに嫌いな勉強をさせることを習慣化するやりかた(プレマック原理)とか、好きなことについて調べたりする「勉強」をさせることで、勉強の面白さを体得させることから本来の?勉強へのとっかかりの機会にするといったこともありうる。
さらに、子どもの「好き・得意」を承認してやることは、子どもの自尊心を満足させることにもつながる。折にふれて、子どもの「好き・得意」10個を書き出してみる作業をおすすめしたいところである。
2つは、家庭・家族の中に原因がないかどうかである。
とりわけ、小学生にとって家庭・家族の影響は甚大である。たとえば、兄・姉、さらに親が勉強しているところを見せて(ロールモデルになって)いなければ、「なんで自分だけ?」となる。家族一丸となって、勉強の雰囲気が必要である。自分だけは勉強嫌いだからやらないと言わしめない雰囲気を醸成する必要がある。
3つは、外の環境に原因がないかどうかである。これについては、いろいろありすぎるが、今何かと問題とされているIT環境だけを次のコツで取り上げてみる。