自分の部屋を動き回るのにいちいち考えながら、といういきません。どう動けばよいかは身体が知っています。
だからこそ、部屋の配置変えをしたようなときは危険なのです。
環境は前と違ったのに、身体のほうは前と同じように動いてしまい、両者の間に不適合が起こってしまうからです。
人間は、環境に慣れるのは得意です。ただし、その環境が不変(普遍?)であることが前提です。絶え間なく変化する環境には実に注意深く観察しそれに自分を合わせるように努力します。しかし、変わらない環境に対しては、自分の身体のほうをそれに合わせます。そうすれば、身体の無駄な動きをしなくて済むだけでなく、身体を動かすために頭を使う必要もなくなるからです。かりに最初は、無理の身体の動きを要求されてもすぐにそれに慣れてしまいます。
問題は、部屋の配置変えのように、全体は変わらない、しかし、その中にある部分は変更、というような場合です。全体が前と同じ身体の動きを誘発して、それが、変わった部分と不適合をおこしてしまいます。