市村先生が紹介してくれた退屈についての論文のサマリーを訳してみました。久しぶりの研究者らしきことをしてみた。退屈しのぎはこれが一番かも。市村先生に大感謝。
@@
Marion Martin,et.al
The Phenomenon of Boredom.
Quantitative Research in Psychology,2006,3,193-211
要約
退屈は、機能障害的行動や精神衛生問題と明らかな関係があるにもかかわらず、あまりよく理解できない現象のままほっておかれ、研究もほとんどなされてこかなったし、あっても、ほとんどが量的な観点からのものであった。
そこで、10人の研究協力者に自らの退屈経験を尋ね分析する質的・解釈的・現象論的研究を行ってみた。この協力者の10人は、幅広い年齢層から集められた。
研究の目的は、退屈を持たしたもの、退屈経験そのもの、退屈の段階についてと、それらのデータを処理する方法とについて、多くの知見を得た。
1) 退屈は、非常に不愉快でいやな体験であること
2) その感覚をもたらす状況は、外的要因によって変わり、退屈しやすさへの一般的な傾向がある。なお、これは、人生経験を積むにつれて変わる。
3) 退屈経験とそれに伴う経験は、無気力と結びついたいらだちそのものと言える。年齢による違いは見つけることはできなかった。
4) 問題の解決に使う方略は、あれこれあるが、共通しているのは、何か興味のあることをみつけようとすることであった。ただ、これらの方略はあまりうまくいかない傾向がみられた。
退屈を扱った伝統的な方法は、環境のなかに刺激と選択増やすことに
焦点を当ててきたが、我々が提案する方略は、退屈の内的な原因、たとえば、注意の持続不能のようなものに焦点を当てべきであるということになる。今後、この方向でさらに研究を進めていく。
「退屈と戦う方略」本文図1より
第一群
気晴らし 休養 気分転換 目標の設定 やることの探索 死の準備
第2群
身体運動 瞑想 仲間と楽しむ 受容 がまん