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忍耐「忍耐は見返りがある」ポジティブキーワード解説その22

2018-08-03 | ポジティブ心理学

忍耐「忍耐は見返りがある」

●忍耐嫌い
 いつの時代でも、若者を特徴づける、というより、けなす言葉には事欠きませんが、忍耐嫌いは、今時の若者の特徴の一つかもしれません。生まれたときから暖衣飽食の中で育てば、当たり前の特徴として身についてしまいます。
 しかし、それがいいことだとは当の若者でさえ、思ってはいないはずです。耐えることなしに得られるものはたかが知れているからです。
 とはいっても、3年で3割が会社を辞めてしまうと言われているような日本の若者の現実はかなり深刻かもしれません。

●逆境に強い
 ポジティブ心理学のキーワードの一つに、レジリエンス(回復力、復元力)というのがあります。
 逆境の中でも心の健康を維持できる資質です。こうした資質を備えた子どもを「傷つかない子ども」と呼び、そうした子どもが一定割合いることが注目されています。
 資質ですので、自分でどうこうして身につけられる類のものではなさそうですが、今後、研究がすすむと、子育て段階で何か使えるようなものが出てくるかもしれません。
 ここで取り上げる忍耐も、これに関係しています。

●2つの忍耐
 忍耐には、目標を達成するまで忍耐強くがんばるというような前向きの忍耐と、レジリエンスで取り上げられる、今襲いかかってきている困難に耐えるというような後向きの忍耐とがあります。
 いずれも、しんどいけどがんばることになりますが、前向き忍耐と後向き忍耐とは微妙に異なります。
いずれも心の元気にとって大事です。そこで、両者を分けて、以下、考えてみたいと思います。
なお、忍耐には、さらに、肉体的な忍耐もあります。ここでは、心のほうの忍耐をもっぱら考えますが、心身一如です。からだを通して心の忍耐をつけるということもあることは、知っておいてよいと思います。

● 前向きの忍耐をつけるコツ
① 目標志向の生き方をする
 目標があれば、それを達成したいという欲求も高まります。それがあれば、つらいことも耐えられます。
 長期の高い目標で持続的に頑張れれば、いうことなしですが、なかなかそれは難しいところがありますので、中短期のやや達成度の低い、そして具体的な目標を意識しながら頑張るのが現実的です。そうすれば、進歩感を実感しながら、毎日、がんばれるからです。
 社長になるぞー、だから今日一日がんばる、もありです。それは、真正の元気につながります。でも、凡人は、そのことをちょっぴり意識することはあっても、日々の達成目標とするには無理があります。せいぜい、1週間単位くらいのがんばり目標を意識してがんばるくらいが、いいところではないでしょうか。
 それが継続されれば、自然に忍耐力もついてくるはずです。
② 1割増しの努力感を
 忍耐力をつけるには、普通のレベルの努力の継続だけではだめです。
 「がんばる」という表現の中には、「いつもよりも少し大目の努力をする」の意味があります。自分の能力を110%出す感じですね。
 ただ、ここが難しいところですが、これを連日継続し続けると資源切れになります。調整が必要になります。一つのそうならないためのおすすめは、休息をスケジュール化しておくことです。別項目で考えてみます。

● 後ろ向きの忍耐をつけるコツ
① 逆境から学ぶ
 レジリエンスの話のところで、資質と言いました。だとすると、これを身につけるのは難しいところがあります。
 でも、意図しない逆境体験からたくさんのことが学べます。それがレジリエンスに即つながるかどうかはわかりませんが、逆境から抜け出る心のスキルは学べることは間違いありません。
 ですから、逆境に陥った(と思ったら)、それに果敢に立ち向かうことも大事ですが、一歩引いて、さて、ここから何が学べるかを自問自答してみることをおすすめします。
 なにしろ、忍耐の「忍」は、心の上に刃がある状態です。厳しい学びができる、というより、学ばなければ生きていけない場なのです。
②逆境のときこそ人間を知るチャンス
 では、逆境から何が学べるかを自分の個人的な体験から2つ挙げておきます。
 一つは、人間への洞察が深まります。
 その多くは、人間の暗部への洞察になりますが、その中でも涙がでるほどうれしいところをみせられたり、拝みたいくらいありがたい人に出会うことがあります。それが、人間を見る目の幅を広げてくれます。「悪い人ばかりではない」という楽観にもつながります。
③危機に鈍感になる
 逆境は、心に強烈なダメージを与えます。それにめげてしまうリスクがありますが、次々に押し寄せているダメージは、めげている暇がないような感じになります。というより、「またかー、しょうがないなー」という感じですね。いや、もうちょっと積極的な言い方をするなら、「とりあえず、受け流す感じ」ですね。
逆境に自然に心が順応してしまう、というより順応させてしまうスキルを体得します。あまり生産的な学びではありませんが、貴重です。


労働者の権利

2018-08-03 | 社会

労働者の、団結権、団体交渉権、団体行動権(争議権)の3つの権利のこと。労働者が使用者と対等な立場にたって、労働条件等を交渉できるようにするために法的に保障されたもの。
団結権とは、団体(労働組合)を組織する権利。
争議権とは、その団体の代表者を通じて使用者と交渉する権利。
団体行動権(争議権)とは、その主張を通すためにストライキなどの行為によって使用者に圧力をかける権利。
(ウイキペディアより)

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ストライキによる争議権を行使しようとしたら、
JR東日本(東日本旅客鉄道)の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合」(以下、東労組)からの組合員の大量脱退が止まらない。4月末では3万人を超えたようだ。(2018年7月)

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日本からストライキが消えたのはーーどこかでメディア報道はないミニストライキは発生しているのかもしれないーー
いつ頃からであろうか。
そして、今回、ストをやろうとしたら、JR東日本の組合員大量脱退してしまったそうだ。

日本の労働問題、働き方改革のほうに目がいってしまったようだが、
労働者を団体として支援する法的な整備はできているのだ。
これがどうも時代遅れ、機能不全を起こしてしまったようだ。

個人としての労働者を守る、支援する仕組みの一つが今回の働き方改革なのかもしれない。




心理学者は自分の一番苦手なことを研究しようとする

2018-08-03 | 教育
心理学の世界では「心理学者は自分の一番苦手なことを研究しようとする」という妙な言い伝えがあります
(荷方邦夫)

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自分はこの名言、初めて聞きましたが、
そういえば、そういうところもありますね。

とりわけ多いのが、
高校時代に、友人関係で悩んだ
中学時代に、いじめられた
などの心の悩み体験が引き金になって
臨床心理学を専攻したいと思い、貴学で学ぼうと決めました」
といった類の言説は、面接などの決り文句であった。

心理学には、確かにそうした思いを学問的知識として提供できるところがあるので、
間違いではないのだが、
あまりにリアルな現実的悩みは、しかし、心理学を学ぶとき、研究するときの障害になることもある。

●社会的手抜き(social loafing)

2018-08-03 | 心理学辞典

●社会的手抜き(social loafing)
人と一緒に仕事をするとき、1人のときより手抜きをすることも、また、逆に、1人のときより頑張ることもある。前者を社会的手抜き、後者を社会的促進という。仕事の内容や仕事への自我関与や興味の度合い、あるいは個人評価への懸念などによっていずれかになる。
他のメンバーに頼ってしまい、みずからは全体の仕事に貢献する必要がないと判断するフリーライダー(free rider)効果も、社会的手抜きの一つである。集団が大きかったり、仕事の目標がメンバーの最もよくできる人に合わせられているときに起こりやすい。