●ファジー論理/あいまい論理(fuzzy logic)
論理的に思考するということのなかには、「厳密である」「筋道が決まっている」「結論は一つである」「思考内容からは独立している」ことが含意されている。
しかし、人間の思考に使われることばや概念、さらにはその展開の筋道には、本質的にあいまいさ(fuzziness)が内在している。たとえば、「若い」とは何歳くらいのこと、「鳥」はどう定義するとなると極めてむずかしい。こうしたあいまいさを嫌ったのが論理学である(たとえば、記号論理学)。これに対して、1965年にL・A・ザデーによって数学的に定式化されたファジー論理は、人間の思考のあいまいさを模擬したものともいえる画期的な理論であった。「0か1」の二値論理で動くコンピュータ制御にも、このファジー論理が応用されるようになってきているのがおもしろい。