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ストループ効果(Stroop effect>」学生が解説すると

2019-10-16 | 心理学辞典

ストループ効果(Stroop effect>
ストループ効果とは、色の情報を答えようとする時に、意味の方の情報が干渉することをいいます。例えば、「赤 黄 緑・・・」と漢字が並んでいて、音読して下さいと言われれば、それはさほど難しい事ではありません。また、赤という漢字が赤い色、黄という漢字は黄色い色、緑という漢字は緑色で書かれていたとしても、むしろ音読の助けになるくらいで、難しさは変わらないでしょう。しかし、もし赤が緑色で、黄が赤色で、緑が黄色で書かれていたら・・・実際に試してみるときっとよく分かると思いますが、音読はそれまでよりも難しくなるものです。このように行われた実験によっても、音読の反応が遅れるという結果が出ています。この現象は、文字の意味を理解しているかどうかと関係があり、チンパンジーの認知能力の研究でも扱われています。チンパンジーにも、反応が遅れるという現象が起こっており、チンパンジーも言葉の意味を理解していたという事が証明されたのです。(AN)
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皆さんに2つの課題を出します。1つめは「あか・あお・き・みどり」と、名前の色と同じ色で書かれた文字を読んでもらうという問題です。もう1つは、名前の色とは違う色で書かれた「あか・あお・き・みどり」の文字を読み上げてもらうというものです。たとえば、この場合だとあかがみどりで書かれていたりします。この2つの課題のうち、どちらが皆さんは早く文字を読めるでしょうか。このテストは1935年にJohn RidleyStroop博士によって考えれ、彼の名前をとってStroopTestと呼ばれています。この課題によって、単に文字を読む・色を言い当てるということだけではなく、色の判断と文字を読むという2つの異なる情報が同時に脳に入ったときの「葛藤」により色を答える反応が遅くなるということがわかります。そして、それがストループ効果と呼ばれるものです。最近の研究では、文字を読むことは色を命名することよりも簡単だということが明らかになっています。(AN)
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ストループ効果とは、色と意味が一致しない単語の色を言うときは、それらが一致する単語の色を言うときよりも時間がかかることをいいます。つまり、青色で書かれた「青」という字の色を言うときはすんなり読むことができるけれども、緑色で書かれた「青」という字の色を言うときは少しとまどってしまって、時間がかかるということです。
このストループ効果は1930年代に、ストループという人が発見した現象です。この現象は「青」という色の名称が描かれている実際の色を口にすることを妨げるために起こってしまうのです。課題にとって不必要な言葉が自動的に読まれてしまって、その結果、反応が遅れてしまうのです。この現象は、色のみではなく、文字を使って形を表す場合などにも生じます。ストループ効果はもちろん、その言語を理解できない人には現れません。漢字を読むことのできない子供や外国の人にはこの現象は現れないということです。(AG)
  

お別れ」10年前の今日の記事

2019-10-16 | 高齢者

だんだんそういう年になってきたということか
ちかばにいる同年齢の方々が、がんでお亡くなりになるケースが
ほぼ毎年という感じ

病気は、高齢者リスクのトップマター
どれほど気をつけていても、こればかりはどうにもならない
覚悟はしてはいるが、幸いなことに、まだぜんぜん、その気はない

ご冥福を祈る

「熱中は、すべてを忘れさせる幸せ心」

2019-10-16 | ポジティブ心理学

「熱中は、すべてを忘れさせる幸せ心」

● 熱中エピソード
まずは、天才たちの熱中体験のいくつかから。
・ ニュートン は、考えに熱中していて、ゆで卵の代わりに時計をゆでてしまった
・ エジソンは、人間でも卵を孵化できるはずと、食事もしないで鳥小屋で卵をだいていた
・ 野口英世は、不眠不休で働いたので、「24時間仕事男」と呼ばれた
・ アインシュタインは、ものごとを考えるのに、あまりに時間がかかりすぎ、「退屈神父」とあだ名がつけられた
(山田大隆「心にしみる天才の逸話」講談社ブルーバックスより)
 熱中すれば天才になれるのか、天才だから熱中できたのかは、わかりませんが、熱中体験は、発明発見には必須のようです。
 熱中は、頭の元気さが最高潮に達している状態です。だからこそ、結果として、発明発見につながるのです。

 さらに、こんな引用はどうでしょうか。
「―――画家たちが仕事に没頭しきっていることでした。文字通り、周りのすべてを忘れているように見えました。---略---絵筆を握っている手は疲れを知らないように思えました。いくら長い時間仕事を続けようと、彼らは少しも気にかけていませんでした。(チクセントミハイ)(サイヴァートら著「幸せ時間ですべてうまくいく!」飛鳥新社より)

●熱中するとは、
 天才の熱中体験から話を始めてしまったので、そんな熱中、自分とは無関係と思われてしまったかもしれません。

 実は、最後に引用したチクセントミハイ(心理学者)の言っていることは、熱中よりもさらに高度な状態であるフロー(flow)体験なのです。これは、いわば、天才たちの体験の話なのです。
 天才ですから、その結果として、社会的に価値のある発明・発見をすることにつながっています。そして、神がかり的な心の世界(至高体験)にまで浸りこみます。

 凡人である自分にはどうも、そこまでは無理、という感想は、当然です。
 しかし、フロー体験まではいかないまでも、それに類似した、それよりちょぴりかわいい(笑)熱中体験は、誰にもそれなりにあるはずです。
 熱中体験かどうかを知る目安の一つは、時間を忘れてしまうほど、何かをしたかどうかです。
 これならいくらでもありますね。
 
・ゲームをしていて、つい夜更かし
・友達とだべっていて、門限が過ぎてしまった
・難しい問題を考え抜いていたら夜が明けた
・電車で小説を読んでいって、乗り過ごしてしまった

 さらに、熱中体験かどうかを知るもう一つの目安は、ほかにやらなければならないことをすっぽかしてしまう(忘我)ほど、何かをしたかどうかです。
上の4つの場面に合わせるなら、
・ゲームをしていて、宿題を忘れた
・友達とだべっていて、約束の時間に電話するのを忘れた
・難しい問題を解いていたら、約束を忘れてしまった
・電車で小説をよんでいたら、棚の上に乗せておいたカバンを盗まれた

 どうでしょうか。これに類した体験ならいくらでもありますね。
 熱中とは、このように、時間を忘れ、他の事を忘れてしまうくらいに一つのことだけにかかわってしまうような状態です。


至高   フロー    使命感

忘我   熱中    個人的嗜好
             挑戦心
注意集中
                   個人
図 注意集中から熱中、フローまで

● 良い熱中に誘うもの
 熱中には、悪い熱中もあります。
ビデオゲーム中毒、携帯電話中毒がその典型です。
悪い熱中の多くは、外側に、熱中させる仕掛けがあります。たとえば、
・大音響やけばけばしい色彩
・頻繁な場面転換
・魅力的な登場人物
・奇想天外なトリック
・感情を揺さぶるシーン
・ただちに反応することを要求

 こうした仕掛けを見せられれば、誰もが熱中してしまいます。
こうした熱中は、いわば、みずからする熱中ではなく、外から強いられる熱中です。いわば、受動的熱中ですね。
 こういう熱中、すべてがただちに悪い熱中というわけではありません。
・日常のつらさを忘れたい
・ストレスを発散したい
・気持ちを高めたい
といったときには、実に有効です。だからこそ、これほど人々を引き付けることにもなります。
 しかし、こうした受動的熱中が、四六時中続いたらどうでしょうか。
・頭をだめにしますし、気持ちを貧弱にします
・心身の健康を害することにもなります

IT社会は、こうした悪い熱中への誘惑に満ち満ちています。テクノストレスという言葉がかつてよく使われたことがあります。
十分に気をつけてください。

●良い熱中に誘うもの
これに対して、良い集中は頭を元気にします。
 良い熱中にいざなう決め手になるのは、個人的嗜好と使命感と挑戦心です。

熱中するためには、熱中するものが、あなたにとってそうしたいもの、さらに好きなものであること、そこまでいかないまでも、ポジティブな感情を持ちながらできることです。これを個人的嗜好と言っておきます。
命じられた仕事をいやいやするなら30分も集中すると飽きてしまいます。熱中にはほど遠い状態がすぐにやってきます。
でも、あなたがそうしたい、あるいは、好きで好きでしょうがない、楽しくてたのしくてしょうがない気持ちで取組める仕事ならどうでしょうか。あっという間に1時間、一日がたってしまいます。

2つ目は仕事に使命感をもって取り組めることです。
使命感というとややおおげさになりますが、こういうことです。
どんな仕事にも、それなりの意味、意義があります。
大きくは、社会全体、会社全体、組織の中でのその仕事の位置づけ、小さいところでは、自分にとってのその仕事をすることの意義などなど、要するに、その仕事をとりまくもろもろを考えてみることです。
・ どうして自分はその仕事をしているのか
・ なぜ、その仕事は存在するのか
・ 仕事を自分がしないとなどういうことになるのか
などなど。
その中に自分で心の底から納得できるものがあれば、それが使命感になります。

余談になりますが、何とかオタクと呼ばれる人がいますね。
彼らもある特定のことに熱中していますが、そこには、ここでいう、使命感が希薄です。「井の中の蛙、大海を知らず」です。
向かうところが、まったく個人的な興味・関心に限定されています。その点で、彼らの熱中を、ここで良い熱中として推奨するのには、やや躊躇してしまうところがあります。悪い熱中ではないことも確かですが。

だからこその使命感なのです。使命感は、仕事に熱中させる「神の力」です。
これがあれば、たとえ、周囲に多少の抵抗があっても平気。自分の思うがままに目標に向かって仕事に熱中できます。

 熱中に導くもう一つは、挑戦心です。
 なんとしてもやり遂げる気持ちです。
 当然、いついつまでにどこまでというはっきりとした目標が必要です。
 さらに、ここが大事なのですが、自分の力でできるという強い確信も必要です。自分の力に自信のない人、あるいは、自分の力を見極めることのできない人には、挑戦は無縁です。あるいは、無謀ということになります。

 あなたがそうしたいもの、そうする必然性があるもの、そして、頑張ればできそうな仕事。
 それがあれば黙っていても熱中できます。
 それは、必ずしも、会社の仕事である必要はありません。
 地域のボランティ活動でもよいのです。
 一つでも2つでも、そんな熱中できるものを持っていれば、元気人生を歩めます。