天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

ゴーギャン展・ノリタケデザイン100年の歴史@名古屋ボストン美術館

2009年04月25日 | ライブ・イベント・映画
4月18日~6月21日まで、名古屋ボストン美術館開館10周年記念のイベントとして
「ゴーギャン展」と「ノリタケデザイン100年の歴史(←こちらは8月30日まで)」が開催中
友人H嬢と見に行って来た。

今回、ゴーギャンの不朽の名作と誉れ高い
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
を初来日・日本初公開するという事もあって、話題性は充分。
当然だけど本作は画集・TV等でしか見た事がない。めっちゃ楽しみ♪

ゴーギャンと言うと「タヒチの原風景と原住民を描いた民族画家」というイメージが
物凄く強い訳だが(ってか、それくらいしか知らないよね)、どんな画家でもそうだけど
そこに至るまでには様々な紆余曲折や迷走がある訳ですよ。
そんな訳で、本展覧会ではゴーギャンの初期の作品から順に、彼の作風の変遷が
見られるように展示してありました。

初期の作品等を見ると、筆遣いや色調が思いっきり「印象派」そのものという感じ。
風景画はカミーユ・ピサロっぽいし、静物画はセザンヌっぽい。
ゴーギャンは中期には2ヶ月だけアルルでゴッホと同居もしているが、同居2ヵ月後に
例の有名なゴッホの「耳切り事件」が起こって同居は解消されている。
共同生活をしていた画家仲間が自分で耳を切り落とすとは、一体彼らの同居生活に
何があったのだろうか?と色々考えてしまうトコロだが、彼らは同居解消後も
繁く書簡を送り合っていたようなので、仲違いをしたという訳でもなかったんだろう。

段々作品の色使いやタッチ、構図の取り方が「ゴーギャンらしく」なって行くのが面白い。
中央に大胆に樹木の大枝が走るような構図、帯状になった草原の色彩、深みのある朱色、
対象物を輪郭線で囲む描き方等、タヒチ渡来後のゴーギャン作品に見られるような
タッチが少しずつ作品の中に現れてくる。

また、彼がタヒチを広く紹介しようとして製作された著書「ノアノア」の為に製作された
一連の表紙・挿絵用版画も展示されていて、刷った人が違う同じ版の作品、
刷った人が同じだけど色調を変えて刷り直した作品が並べて展示されているので
比較しながら見る事が出来る。とても興味深かった。

くだんの名作は別格扱いになっていて、それだけで1つの展示室を利用していた。
流石に「ゴーギャンの最高傑作」と呼ばれるにふさわしい。
絵から発するオーラ、パワーが周囲を完全に圧倒する。

画家の個人展にしては正直作品点数はあまり多くはないんだけど、ゴーギャンが好きな人も
ゴーギャンに興味がない人にも満足度の高い展示内容だったと思う。
残念だったのは、作品の1つ「かぐわしき大地(大原美術館蔵)」が5月12日からしか
貸し出しされないようで、展示されてなかった事。
まあ現物は過去に見た事があるからいいんだけど・・・あの作品は特に好きだったので
見れなかったのはかなり悔しい。5月12日以降にもう一度見に行こうかしら。

ちなみに本展覧会は、名古屋で終了後に7月3日から東京国立近代美術館でも
企画展として開催されるそうです。ただし展示内容は多少変わるそうですが・・・
関東地方の方も是非足を運んで下さいな♪


ゴーギャン展の後、オープンギャラリーで開催中の「ノリタケデザイン100年の歴史」
をそのまま見る事に。
コレ、全国巡回してる展示らしく、他地方ではお金取って見せていたトコロもあるよう?ですが
名古屋では無料で誰でも見れるようになってます♪

これは見る価値アリ!大アリ!超オススメ!!

「オールドノリタケ」と今では呼ばれる輸出用陶磁器から日本初のディナー皿、
その後のディナーウェアに至るまでのデザインの変遷を網羅。とにかく素晴らしい!
営業用の見本帳の展示もしてあるんだけど、これがまた出来が良すぎて鼻血モノ。
見本帳だけで展覧会1つ企画出来る位の素晴らしいクオリティ。完全な美術品仕様。

帝国ホテルをデザインしたフランク・ロイド・ライト氏が帝国ホテルの為にデザインした
別注の皿とカップ&ソーサーの実物も展示してある。モダンでオシャレ♪
尚このライト氏デザインの食器は美術館のミュージアムショップで復刻版を販売してます。
今回は買わなかったけど・・・近所だから今度買いに行っちゃおうかなー♪

戦後製造されたカップ&ソーサー、ディナー皿がドバーッと並べられて展示されてる。圧巻!
1960年頃までに製造されたデザインのモノを網羅していますが・・・
展示されてるカップ&ソーサーとディナー皿の中にそれぞれ1品ずつ、実家で子供の頃
使っていたモノがあったのでとっても嬉しく懐かしかった。

ま、使ってたってか・・・「超お客様仕様」だったから飾ってあっただけなんだけどね(苦笑)
うちは貧乏だったから、ノリタケの食器なんて普段使い出来る家庭じゃなかったですわ。
きっと誰かからプレゼントされたとか、披露宴の引出物で貰った物だったんだろうな。
あの食器ってまだ実家に残ってるのかなぁ?気付いたら食器棚から消えてたんだが。
・・・ママの事だから何かの拍子に落として割って処分したって感じか?(涙)
今度実家に帰ったら、押入れの中を探してみるとすっかー。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする