天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「マイ・ブロークン・マリコ」@56作目

2022年10月05日 | 映画感想
「マイ・ブロークン・マリコ」

文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞に輝いた平庫ワカ氏の同名タイトルコミックを実写映画化。原作コミック未読です。
ただ、本作の予告編を1度だけ目にしたんですが…永野芽郁ちゃんがすんげーかっ飛ばしたキャラだったのに仰天して「なんだコレは…」と思って鑑賞決定~w

あらすじ
気の晴れない日々を送るOL・シイノトモヨ(永野芽郁)は、親友・イカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことをテレビのニュースで知る。マリコは子供のころから実の父親(尾美としのり)にひどい虐待を受けており、そんな親友の魂を救いたいと、シイノはマリコの遺骨を奪うことを決断。マリコの実家を訪ね、遺骨を奪い逃走したシイノは、親友との思い出を胸に旅に出る。(Yahoo!Movieから丸パク)

先ず、何故永野芽郁ちゃんはこの役を演じようと思ったんだろう?
キャスティングした側の思惑は「そもそも圧倒的に可愛いし人気女優。その彼女に全然イメージじゃないキャラを演じさせる事でギャップ萌えを狙った」って事か?
んーまあ、かなり上手に演じていらっしゃったとは思うものの、やっぱり彼女のイメージにそぐわないキャラだったなぁ、と思わざるを得ない。
主人公の「シィちゃん」はおそらく中学辺りからタバコ吸ってんだよね。言葉遣いも「昭和のヤンキーか?」レベルだし、おキレイな顔におよそ似つかわしくない風体。

そして、子供の頃からのずっと親友だった「マリコ」が絵に描いたようなメンヘラちゃん。
わーもうねー、自分が一番苦手なヤツだったーーー映画観る前に先入観持ちたくないからなるべく作品情報調べずに行くんだけど、今回は正直シクったわー(薄涙)
自分メンヘラ超苦手。て言うか自分の周囲にメンヘラキャラは1人もいない。だって自分がメンヘラ苦手だから絶対にそういう人とは仲良くならないもん。
劇中でマリコがシィちゃんの目の前でリスカするシーンとか、自分は男に依存してて次から次へと男と付き合っちゃーDV受けて別れるを繰り返してるんだけど、シィちゃんには「彼氏絶対に作らないで。もし作ったら私死ぬから!」って言うシーンがあるんだけど、もうイライラしかしない!こういうオンナ、マジ自分鳥肌レベルにダメなんだー!!
ただね…「マリコ」を演じた奈緒ちゃんがすんげー上手かった。つーか、シィちゃんとマリコを演じた子役達も全員恐ろしい程上手かった。上手過ぎてイライラしっ放し!

まあ要するにマリコとシィちゃんは「共依存」ってヤツで。
一見するとメンヘラのマリコがシィちゃんにひたすら寄りかかってるだけに見えますが、シィちゃんの方もマリコを「面倒くせぇな」とうそぶきながらも虐待されているマリコを守るのは自分しかいないんだ!みたいなお花畑脳を発動していてお互いががっぷりよつ状態なんですよね。
それなのにある日突然何の前触れもなくマリコが自殺してしまう。シィちゃんは梯子を外されてしまった状態になるんですね。それで↑上のあらすじの通りの強行に出てマリコの遺骨を奪って、生前マリコが一緒に行きたいねーと言っていたある岬へ遺骨を持って行く→自分の中でマリコとの決別の儀式のような?

窪田正孝さん演じる「マキオ」がシィちゃんとマリコ(の遺骨)の旅先でたまたま偶然出会うんですが、窪田さんがまたいい味出してるんだよなぁ~!
フワッとした脱力系イケメンなんだけど、どうやら何か過去があるっぽい(劇中では特に取り上げられていないけれど自殺未遂歴があるらしい)、少々お節介だけど気持ちのいい距離感で手を差し伸べてくれるという感じ。自分に過去があるからこそ何やら訳アリに見えるシィちゃんを放っておけないって感じなのかな?と想像させられる。

マリコとの最後の旅に出て、特に前向きになった訳じゃないけど(ないんかーい!)生きる事の意味を1つ見つけられたかもしれない?
そして、ラストにマリコからの最後の手紙を読むシーンが…敢えて内容を明かさずに終わっていたけど、何が書かれていたのかは気になるけれどコレで良かったと思う。
ラストシーンの永野芽郁ちゃんの表情がとても良かった。だからきっとシィちゃんにとって素敵な手紙だったんだろうと。それで全てが報われたんだろうと。
…正直、メンヘラネタはマジ全く共感出来なくて苦しかったけど、役者さんの演技は正に迫真でした。好みの話ではないけど…でもいい演技が観られたという満足感は高いです。
コメント
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