天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「TOVE/トーベ」@41作目

2021年10月08日 | 映画感想
「TOVE/トーベ」

ムーミンシリーズの作者「トーベ・ヤンソン」の半生を描いた作品。
まあ、ムーミンを嫌いな女子はまずいない、いやむしろ女子ならほぼ漏れなくムーミン好きよね♪という訳で館内の客9割女性でした~w

あらすじ
1944年、第2次世界大戦末期のフィンランド。トーベ・ヤンソン(アルマ・ポウスティ)は防空壕で子供たちに語った物語から、ムーミンの世界を創り出していく。ヘルシンキにあるアトリエで暮らし始めた彼女は、自身の芸術性と美術界の潮流にギャップを感じていたが、恋をしたり、パーティーを楽しんだりしていた。ある日、彼女は舞台監督のヴィヴィカ・バンドレル(クリスタ・コソネン)に出会う。(Yahoo!Movieから丸パク)

トーベ・ヤンソンはフィンランド人で、本作もフィンランドとスウェーデンの合作なので監督さんから役者さんもみんなアチラの国の方々で。まあ知ってる人はいないわねーw
それよりもね、恥を忍んで申し上げますが…自分トーベ・ヤンソンってずっと男の人だと思ってたよマジで(滝汗)なんとなく「トーベ」って名前の語感が男性っぽくない?
作品には興味があるけどその作者には全く興味がなかったから今まで積極的に調べようとした事がなかったんだー無知でごめんなさいぃーーー(号泣

という訳で、話は第二次世界大戦末期から始まって彼女がムーミンを世に出して人気作家になるトコロまでを見せているんですが…何というか、ムーミンシリーズの牧歌的な作風に比べてそれを生み出した作者ご本人が想像以上に破天荒キャラで驚きましたわ^^;
映画冒頭から思いっきり堂々と不倫しまくっていてw、しかも自分から積極的に既婚男性にすり寄って行ってるからね!奥さん?え?なにソレ美味しいの?レベルっすよw
更に市長の娘(既婚)「ヴィヴィカ」と出会って、ヴィヴィカから粉掛けられてまんまとベッドイン。おーうジェンダフリーなんすねー。

と、まあ彼女と彼女の周囲の余りにも奔放な性癖シーンが結構な尺で語られているので「まあ!ムーミンの作者さんのお話?うふふ♪」気分で家族総出で観に行くととんでもなく気まずい空気が流れる事請け合いです。少なくともお子さん連れて観に行くのは絶対にオススメしないので要注意です^^;

さて、やってる事は基本クズの極みなんですが(コラコラ)「ヴィヴィカ」というファム・ファタールと出会った事で彼女に深く影響を受ける様子が見て取れます。
ヴィヴィカを竜になぞらえて語るシーンが何度か登場しますが、竜の存在と定義がトーベの中でかなり影響と刺激を受けているようでしたし、ムーミンの中に登場するキャラクター、例えば自分達だけにしか伝わらない不思議な言葉を話す2人組「トフスランとビフスラン」等もヴィヴィカとの逢瀬の中で生まれたキャラクターのようでした。
それからムーミンの小説を読んだ事がある人なら思うトコロだと思いますが、子供の頃に読んだ時には余りピンと来ていなかったんだけど大人になってから思い返すとムーミンシリーズって結構哲学的な事を語るシーン多いんですよね。それらもきっとヴィヴィカとの関係の中で生まれたセリフだったのではないかと思いました。

後、トーベと父親との確執についても触れていて…トーベの父親は高名な彫刻家だったそうで非常に厳格な人物でトーベとは相性が余りよろしくなかったようです。
父親が厳格過ぎたからトーベは逆に振り切っちゃったって事なのかなー?と思わずにいられないんですがw、映画冒頭でムーミントロールの落書きをしているトーベに対して「こんな下らないモノ描いてないで油絵ちゃんと描け」と言って険悪になるシーンがあります。
父親としてはあくまでもトーベが画家として立ってくれる事を願っていたのでしょう。でも当時にしてはちょっと進歩的過ぎたトーベの感性は画壇でなかなか認めて貰えず、彼女は結局「制作の間の息抜き」気分で描いていたムーミントロールの方で皮肉にも売れて行きます。
ですが、ムーミンの人気が出てヴィヴィカと共作で舞台劇にして公演すると両親連れ立って舞台を観に来たり、時々はトーベを心配してアパートに訪ねたりしていました。
最期まで分かり合えなかった、「画家になれなかった」事がコンプレックスだったトーベに父親は死後愛の溢れた贈り物を残していて、このシーンは本当にジーンと来ました。

奔放で自由で、だけど繊細だったトーベ・ヤンソンの若き日の様子を描いている作品で、ムーミン誕生秘話や余り世間で知られていなかったムーミントリビアが観られるのではないかと期待して観に行くととんでもない肩透かし食らっちゃいそうなんですが(苦笑)、「トーベ・ヤンソン」という人があの時代に余りにも破天荒な考え方と生き方をしていたのだと知れて本当に意外だったし、本作を観てトーベ・ヤンソンという人となりに少し触れた事でもう一度ムーミンシリーズを久し振りに読み直してみると、今までとはまた違った見方が出来るんじゃないだろうか、と思わされましたね。

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ところでー、映画とは関係ないんだけどね、コロナ禍の前(2019年)にフィンランド行ったんだよー。オーロラ目的でネ(ヘルシンキ、ロバニエミ、サーリセルカに滞在)
ロバニエミにサンタクロース村ってのがあって、そこに冬季に「MOOMIN SNOWCASTLE」て施設が出来るんですよ。



↑ インスタにUPした画像そのまま流用して載せたった!

要するに「札幌雪まつり@ムーミン谷会場」みたいな感じ♪
ムーミン好きさんにはオススメしますがフィンランドって物価クッソ高いのなー。入園料が大人30€-も取るんだぜ。正直入園料の元が取れるかは微妙なライン…
て言うか、フィンランド行った事ある人なら皆さん思われるでしょうが、国中何処行ってもムーミンまみれですなぁ。フィンランド全力でムーミンに乗っかってますw
そもそもヘルシンキの空港内もムーミンショップの尺デカイしなー。はぁーでもフィンランドいい国だったんだよーまた行きたいなぁーーー

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