天網恢恢疎にして漏らさず

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【映画2025】「リアル・ペイン 心の旅」@7作目

2025年02月05日 | 映画感想
「リアル・ペイン 心の旅」

『僕らの世界が交わるまで』で監督デビューを果たしたジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・制作・主演を務めた作品。ちな自分「僕らの~」未見ですすんません💦
アイゼンバーグ氏ご本人が主人公のデヴィッドを演じられてますが、内容的にも自分の生い立ちを色濃く投影させている、いわば自叙伝的作風なのだろうと。


あらすじ
ニューヨーク在住のユダヤ人デヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)と従兄弟のベンジーは(キーラン・カルキン)は、亡くなった祖母の遺言に従い、ポーランドのアウシュビッツまでのツアー旅行に参加する。正反対な性格のデヴィッドとベンジーは、行く先々で衝突を繰り返しながらも、個性豊かな人々と出会いながら祖母と縁のある場所を巡る。40代を迎えて言いようのない苦しさを感じていた二人は、旅を通じてそれらに向き合う力を養っていく。(Yahoo!検索情報から丸パク)

従兄弟と2人でポーランドにある祖母の生家を訪ねつつ自分達の悲しい記憶のルーツでもあるホロコーストの歴史にも触れていくというロードムービーで、基本的にホロコーストの遺産を巡る部分は外注の団体周遊ツアーに申し込んでいる(途中でツアーを離脱して祖母の生家を訪ねるというプラン)ので、他の数人のユダヤ人観光客とも途中まで同行しているスタイルなんだけど…

先ずさ、主人公のデヴィッドのキャラがな…
いい言い方すれば自由奔放・豪放磊落で押し出しの強いキャラ、とでも言うのかな?自分的に言えば「KYでウザ絡みする手合い」なんですが(ヲイヲイ~)、だけど何故だか皆から愛される不思議な吸引力のあるキャラ、ってヤツ。アメリカのB級コメディとかフランス映画とかにもよく出て来そうなキャラね…正直自分あんまりこのキャラが得意じゃないと言うか観ていてイライラすると言うかね(苦笑)
まあ、その相方がウザ絡みする主人公のフォローに回って周囲に頭下げて回る地味で目立たない小市民キャラというのもある意味お約束。2人のキャラの対比を観客に見せる事でそのギャップから生じる核融合を狙っているんだろうと思われますが、個人的にはあまりピンとは来なかったかな。

2人は外注のホロコースト遺産観光ツアーに申し込んでいるのでツアコンさんとツアーメイトさん達と同行する訳ですが、移動する為に乗った列車が一等客室だった事にデヴィッドが早速ウザ絡みしてその場の空気最悪にしていく訳で。
でもこのデヴィッドの傍若無人な態度にも何故か好意的に同調するヤツが必ず現われるというね…正直「何見せられてんだよコレ💢」って感じでしたわ
まあ、後にそんなウゼぇキャラのデヴィッドも心にとてつもない闇を抱えているらしい…みたいな種明かしエピが出て来る訳ですが、だから何なんだよとお前が病んでようが何だろうが他人にウザ絡みして許されると思ってんのかクソが💢としか思えない段階でもう自分全く本作の意図が汲めてないんだろうなぁ~(溜息)

ですがね、アウシュビッツの収容所内の観光シーンとかは心がざわつきましたよ…自分もポーランド行ってますから。観に行ってますから。
映画内でも痛ましい収容所の様子だったり大量に積み上げられた靴なんぞも出て来ていましたが、実際に現地行くと撮影禁止になっている展示物が結構ありましてね…余りにも痛ましい遺物の数々なのです。子供の頃からやれ「アンネの日記」だの何だのって幾度となくホロコーストの事に触れて来てはいたつもりでも、あの凄まじい遺物の数々を目の前にしたら言葉が出なくなるんですよ。ただただ涙が流れてくる…実際に身内が収容所送りに遭ってれば尚更でしょうよ…

ラスト、NYに戻って来て空港でハグして別れたデヴィッドとベンジー。デヴィッドの毒々しくも光り輝き人を魅了するカリスマ性に、時に殺したい程呪わしいと思いつつも憧憬を捨て去れないという小市民ベンジーは愛する妻と娘が待っている温かい家庭に帰って行き、そして当のデヴィッドは1人で空港のベンチに座り何とも言えない表情を浮かべていた…
あのシーンが指す意味とは?自分には汲み取れなかったけれど凄く印象的なラストシーンでした。誰かとこのシーンについて考察してみたいですね。

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