事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言09年5月号~高慢なあやまち

2009-05-30 | うんちく・小ネタ

Rohinwrightpennandherhus_2  09年4月号「世界で最も美しい女」はこちら

「河上センセー。河上センセー……」

なんとあの(日テレ専属の)河上和雄元東京地検特捜部長が、あの「折鶴」の千葉紘子と結婚してしまったニュースに仰天した「ズームイン」の羽鳥アナのつぶやき。

いやーわたしも驚いたなあ。別に妻を亡くした76才のおじいさんが、61才の女性と結婚しても普通なわけだけど、なんせそのおじいさんがコワモテ河上センセーで、芸能人が千葉紘子ですから。今の若い人は知らないだろうけどねぇ(はじまったぞ中年の繰り言が)、千葉紘子は男性誌のグラビアなんかにもけっこう出ていたし、わりと美人だったんすよー。やるなー河上センセー。

「高慢な過ちだった」

ショーン・ペンが妻のロビン・ライト・ペンとの別居申請を取り下げたときのコメント。なんだよショーン、期待させといて。おれがロビンのファンだって知ってて気を使ってくれたと思ってたのになあ。

「プリンセス・ブライド・ストーリー」から20年以上たったが、彼女の美しさはここにきて凄みをましている。気が変わったらいつでも電話して。

「実は昨年か一昨年、ホテルで給仕の仕事をやりました。」

あの「ゆれる」で映画ファンを驚かせた西川美和監督が、新作「ディア・ドクター」の原作小説発売の記者会見で。映画監督の日常って……。美人だからできるバイトではあるだろうが。

にしても、笑福亭鶴瓶瑛太が共演したその新作は傑作の匂いがプンプンする。はたして田舎で見れるかどうかが問題なんだけど。

09年6月号「処世術」につづく

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「フロスト×ニクソン」 FROST/NIXON (2008 ユニバーサル)

2009-05-30 | 洋画

Frostnixonpo  わたしは今月、順序は逆になったがロン・ハワード監督作品をつづけざまに観たことになる。「天使と悪魔」のサービス精神旺盛さとは対照的に、「フロスト×ニクソン」はひたすら小癪なつくりになっている。

 まず、成り立ちが複雑だ。映画「フロスト×ニクソン」は、ウォーターゲート事件で失脚し、しかし政界復帰に色気むんむんのリチャード・ニクソンが、政治生命を完全に絶たれるきっかけとなった「TVショー」の裏面を描いた「舞台劇」の「映画化」なのである。

 ストーリーはほぼ史実に基づいている。1972年、ワシントンDCのウォーターゲートビルにあった民主党オフィスに不法侵入した男たちの逮捕により、当時のニクソン政権の高官たちが盗聴に関与したことが明るみに出る。ニクソンと彼の腹心たちは事件のもみ消しをはかり、しかしそれも露見して1974年、ニクソンは合衆国史上初めて任期半ばで辞任する大統領となった……

情報提供者のことを「ディープスロート」と呼んだり、疑獄があると接尾語に「~ゲート」がつくのが通例となったりしたほどの大事件。中学生だったわたしはあまり理解できなかったけれど、米国人にとって、一種の夢の象徴である大統領が(それはオバマへの熱狂でも理解できる)、卑怯な手段で政敵を追い落とそうとしていたことはよほどショックだったらしい。

 アメリカでの成功を夢見て自腹を切ってTVショーを企画したデビッド・フロストをマイケル・シーンが絶妙に演じる。それまで強欲でまぬけに見えたニクソンが、収録の開始とともに怪物化することに慄然とするあたり、うまい。

 しかしそれ以上にニクソンが入りこんだかのようなフランク・ランジェラがすごい。わたしの世代にとっては「ドラキュラ」(79)で色男ぶりを発揮していたあのハンサムが、「大統領は法を超越する」と失言してしまう、哀しくて、しかし恐ろしい男を「グッドナイト&グッドラック」に続いて繊細に演じてみせる。政界のプリンスであるケネディとのトークバトルにつづき、ニクソンはテレビに二度殺されたのである。

 ちょっとネタバレになるけどラストでニクソンはフロストにこう質問する。

「君のパーティの映像を見たよ。君は、パーティを心から楽しんでいるのか?」

「?……もちろん」

「そうか。わたしはパーティを楽しんだことなど一度もないが」

人生で一度も好かれたことのない努力と反骨の男は、二度と晴れ舞台に立つことなく消え去る。

誰からも好かれ、インタビューによって名を高めた男はサーの称号をうけ(エンドタイトルを観ていて気づいた)、今も幸せに暮らしている。

二度と交差することのなかった対照的な男たちのドラマ。傑作。

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