チャプター1、チャプター2、そしてこのパラベラムと、興行収入がうなぎのぼりのシリーズ。それはもう出来に比例しています。1よりも2が圧倒的に面白く、2よりもパラベラムははるかに質が高い。
2は1のラストから5日後のスタート。パラベラムは2のラストからほとんどそのまま始まります。
えーっとおれがこのシリーズをDVDで見たのは去年だけど、ストーリーおぼえてるかなあ……おぼえてない客など相手にしないでどんどんお話は進みます。それ、正解でしょう。だってストーリーを語ることは二の次だろうから。
作り手は、まずこんな画面やアクションを撮りたいと考え、ストーリーはそれに奉仕するというやり方をとっているようにわたしには思える。だってそうでもなければどうしてニューヨークの殺し屋をカサブランカに移動させなければならないんだ。黒服のまま砂漠をさまようキアヌ・リーヴスを撮りたいだけなのが見え見え(笑)。
アクションはこれまで一本調子に“敵の銃を敵に向ける”パターンだけだったけれど、今回はなかなか。関節技やハイキック、それにプロレス技まで繰り出す悪ノリぶり。
主席連合の本部?の女性たちに徹底的にタトゥーを入れ、昔ながらのコンピュータの入力シーンを入れるのは60年代スパイアクションへのオマージュかもしれない。
ま、オマージュととるかパクリととるかは微妙ですが、ラストの戦闘シーンでガラスを割りまくるのは「燃えよ!ドラゴン」だし、部屋のつくりは「マトリックス」だった。バイクのライダーが日本刀を地面にこすりつけて火花が飛ぶのはどう考えても「ブラックレイン」(あの残虐なシーンまでいただいている)。
この、臆面もない感じが、しかしこのシリーズの強みなんだと思う。殺し屋ジョン・ウィックが前二作と同じようにラストで……続篇必至よね。
にしても、ハル・ベリーはギリギリ(すごいですよね)だけど、アンジェリカ・ヒューストンは……あの人って歳をとらないものだと思ってたんだけどな。
コンセクエンスにつづく。