「決戦!関ヶ原」につづく競作シリーズ第二弾。前作はかなり売れたらしいから、次は「決戦!桶狭間」かな「決戦!壇ノ浦」かしら「決戦!南北朝」はまずいか。
それはともかく、今回は大阪冬の陣、夏の陣を中心にしたお話。書き手は何人か交代していて、葉室麟、冲方丁、伊東潤、天野純希が続投で富樫倫太郎、乾緑郎、木下昌輝が加わった。
前作同様、司馬遼太郎の「城塞」という決定打に、現代作家たちがどう挑んだかという形。豊臣秀頼は、実のところどんな人物だったか判然としないので、どのような脚色も許されるわけで、そのあたりが妙味でしょうか。
それにしてもこの時代はオールスターキャスト。秀頼、淀君、真田幸村、千姫、坂崎出羽守、そして家康が丁々発止。面白いです。
でもわたしが好きだったのは地味なキャストである松平忠直を描いた「忠直の檻」(天野純希)。父の結城秀康(家康の二男)を徹底して冷遇した家康に恨みをいだきながら、しかし自らも暴君の名を着せられて追放される忠直。そのそばには、実はキリシタンで、めったに笑わない女がしたがっていた……そうですわたしはこういうラブコメが大好きです。
来年の大河は「真田丸」なので、長男が徳川、次男が豊臣についた経緯は面白そうだと予想しますが、「宇喜多の捨て嫁」で大評判の木下昌輝が描いた「日ノ本一の兵」では、父昌幸が兄の信幸しか愛さず、屈折した信繁の思いと、信繁の影武者として「幸村」という役者がどう動くかが描かれる。
これ、真田丸に当てはめると、草刈正雄は大泉洋ばかりかわいがるのですねてしまった堺雅人(二役)という信じられないことになってしまいます(笑)。
あ、第三弾の正解は「決戦!本能寺」でした。そりゃそうか。11月18日発売ですって。楽しみだなあ、本も大河も。
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