リー・ハーヴェイ・オズワルド……わたしの世代でこの名を知らない人は少ないだろう。
ジョン・F・ケネディ(Fはフィッツジェラルド)大統領の狙撃犯とされ、みずからも殺された人物だ。
しかし数々の報道などによって、どうやら彼の単独犯行であると考える人もまた、少ないはずだ。弾丸が複数方向から発射されていることや、2発目と3発目がわずか2秒という間隔で撃たれていることなどから、背景に大掛かりな組織が存在するのではないかと……
この映画は、ニューオーリンズの地方検事、ジム・ギャリソンがこの事件に取り組んだ書が原作になっている。監督はオリバー・ストーン。
わたしはどうもこの人が苦手。なんか、いつも力いっぱいやってるぜという姿勢がちょっとしんどい。陰謀論に簡単に乗っちゃう感じも。
ストーンのこの姿勢は、ひたすらに事件にのめりこむギャリソンの正義感にそのまま反映されている。演じているのはケビン・コスナー。まさしくぴったりの役回り。
キャストがめちゃめちゃ豪華。オズワルドがゲイリー・オールドマンで、他にトミー・リー・ジョーンズ、シシー・スペイセク、ジャック・レモン、ウォルター・マッソー、ケヴィン・ベーコン、ヴィンセント・ドノフリオ、そして謎の証言者としてドナルド・サザーランド……
上映時間が206分(ディレクターズカット版)の超大作。ギャリソンの主張が、のちにジョンの弟、ロバートまで殺されたことで信ぴょう性を帯びる皮肉。なにより、ギャリソンの捜査に圧倒的な逆風が吹いているあたりが、事件に複雑な背景があることの証左ではないでしょうか。
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