第11回「信玄との密約」はこちら。
シンプルなタイトル。いかにこのドラマにおいて今川氏真(溝端淳平)が重要な位置にいたのかがわかる。
露骨なぐらいに、この大河で家康の父親はほとんど描かれない。それは、人質として今川家にいた家康の、本来の意味での父親が今川義元であることを強調したいのだろう。いや今回も野村萬斎がすばらしくて。
「お前に将の才はない」
父親にこんなことを言われたら氏真でなくてもぐれる(死語)。ましてや、弟分である家康の方が自分よりも強いことを知った以上、彼のやることは切磋琢磨しかない。そして、彼はそれを実行する。
コンプレックスのかたまりのような人物を、溝端淳平はみごとに演じている。
愚将として評価が定まっているらしい氏真だけれど、文化人として、そして蹴鞠の達人として名は残っている。障がいをもつ女を北条から押しつけられたと憤る氏真だが、その妻(おお志田未来だ)はクレバーであたたかい人だった……
ある意味、今日は兄弟の物語だったのだ。わたしは事情があってそっち系に弱い。早世した兄のことを、今でも超えられないような気分があるので。だからあざといくらいの展開で、家康が兄としての氏真と和解する展開にはちょっと泣けた。すいません、妻に知られないように本気で泣きました。
氏真と妻を北条に逃がした家康に武田信玄(阿部寛)は激怒。というか、信玄は怒っていると家康に伝えろとするあたり、戦国も情報戦だったんだなあ。とりあえず徳川家はそのためにも服部半蔵(山田孝之)に飯はちゃんとやっとけ。
第13回「家康、都へ行く」につづく。
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