ふたりの熟女篇はこちら。
そして、あの二つの大作との出会いになる。
-舛田利雄さんと最初に組まれたのは「人間革命」(73)ですか。
丹波:そうだね。一年間、前後篇撮ったからね。小一年以上かかってると思うな。あれが『砂の器』に続くんだから。ホン(脚本)が橋本忍さんだから。『砂の器』というのは、松竹で十四、五年ものあいだ、話が出ちゃ潰れてた幻の企画よ。最後まで同じキャストだったのは加藤嘉だけだ。
-『砂の器』はシリアスな役どころで、セリフも多かったですね。
丹波:俺は人の名前だけは覚えるの嫌なんだ。そんなことで苦労するんだったら、他のことで集中していたい。
-クライマックスで、丹波さんの長ゼリフがあって、妙な間がありましたけど……
丹波:あれはね、忘れたんじゃない。俺は十遍くらいやり直したけどね、最初は野村(芳太郎)監督は、俺が忘れてんのかと思ってんだよ。でも、途中で呼吸できなくなるんだ。自分で感動し過ぎているんだね。
丹波哲郎が創価学会二代目会長戸田城聖を演じた『人間革命』は、レンタルビデオ屋でも見かけることがない。わたしのまわりの店だけかな。信者はほとんど購入済だからなのか。あるいは偏見かもしれないけれど、次第に池田教と化している創価学会にとって、戸田がほとんど殉教者扱いされているあの映画は、“無かったこと”にでもしたいのだろうか。映画として、なかなか面白い出来だったと思うんだけど。信者の報告待つ。
『砂の器』には本当に泣かされた。確か中学生時代に酒田の古い大劇場で観たのだが、映画の持つ力ってすごいんだな、と思い知らされたのだ。でも若い刑事を演じた森田健作の下手くそさは中坊にもよくわかった。中坊だけに、今でも鮮烈に思い出すのが島田陽子の乳房なのは情けないけど(-_-)
【次回は伊丹十三への罵倒が】
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