「殺人の追憶」「グエムル」などのポン・ジュノがいたるところから金をかき集めて製作。キャストがすごい。
「キャプテン・アメリカ」のクリス・エバンス(ひげ面なのでよくわからない)
ティルダ・スウィントン(入れ歯をしているのでよくわからない)
ジョン・ハート(暗がりから出てこないのでよくわからない)
ソン・ガンホ(髪が長すぎてよくわからない)
……という具合に贅沢な使い方(笑)。しかもラストにはあの人が。
ストーリーはかなり無茶で、地球温暖化を一発で解決すると先進国が散布した冷却剤によって一気に氷河期のようになってしまった地球。生物は死に絶え、生き残ったわずかな人類はスノーピアサー(雪を貫くもの)と呼ばれる列車で無限の旅行をつづけている。
列車の最後尾には虐げられた貧民。先頭には指導者と富裕層というわかりやすい構図。ある過去をもった人物が、先頭にあるエンジンを奪取する計画を立てる。その結果……
「グエムル」と同じように、かなり政治的。あちらは怪物をアメリカの象徴に仕立てていたが、こちらは階級社会を横にして見せたところに新味がある。
そしてまたオチが用意してあって、これを“楽しむ”にはかなりの体力が必要かと。わたしは近ごろ心身が不調なので、これはちょっときついかなー。
しかし、「グエムル」の女の子がすっかり大人になって新世界の希望の星になるあたり、ポン・ジュノは客を忘れたわけじゃないみたい。ホッ。
一押し!
もって行き方がうまいですよね。
さすが、監督だなあと。
ガンホさんにおんぶにだっこ的なもんも感じますが、ないと物足りないですからね。
・文太に深作
・黒澤に三船
・小津に節子
・溝口に絹代
的な存在なんですかね。
とりあえず寝相のいい親子だと思いました。