監督:ピーター・バーグ 視覚効果: ジョン・ダイクストラ
出演:ウィル・スミス、シャーリーズ・セロン
超人的な力でロサンゼルスで起こる事件や事故を解決するが、同時に街に大損害を与える男・ハンコック。粗暴な性格も相まって市民にも毛嫌いされていた。そんな彼に命を助けられたPR会社の社員・レイは、ハンコックのイメージ回復作戦に乗り出す。彼を刑務所に入れて罪を償わせた上で、正義のヒーローとして復活させようというのだ。渋々ハンコックは指示に従い刑務所へ。その姿をレイの妻・メアリーは複雑な心境で見ていた。
性格の悪い酔いどれスーパーマンが更生する物語……だけだとしんどいなーと思ったら後半に大逆転。「イーオン・フラックス」と同じようにシャーリーズ・セロンが熟れた肉体を誇示しまくる展開なのでうれしいです(笑)。距離的に離れれば離れるほど力が復活するカップル……ってこりゃあなにかのメタファーか?
今さらCGのすごさを語っても仕方がないのかもしれない。でも、スーパーヒーローの活躍の陰では、きっとこんなはた迷惑な事例が次々と、というネタは笑える。あんな高速で吹っ飛んでいるのだからきっと着地の際には道路を壊し放題だろうとか、たとえ鉄の身体をもっていても、服は燃えるんだから火事場から出てきたらお尻は丸出しだよな、とか。そんな事例がYou Tubeでどしどし投稿されているという今っぽさもいい。
タイトルにこめられた意味は哀しい。異星人でもないのに、地球上でただひとり(ではないことが後に判明)こんなヒーローになってしまった孤独。記憶を失った彼に与えられた名前がジョン・ハンコック。日本でいえば山田一郎。つまり銀行の記入例にあるようなもっともありふれた名前だったのだという皮肉は効いている。
ハンコック役のウィル・スミスは、「メン・イン・ブラック」1作目以来の“無邪気で無謀なアクション”を嬉々として演じていていい感じ。いい身体してるもんなー。
しかしピーター・バーグ監督作品としてはものたりない。あの傑作「キングダム/見えざる敵」を撮った男にこの程度で満足してもらっては困るのである。困る。困るったら困る。
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