第35回「栄一、もてなす」はこちら。
11月も下旬に入り、今日は一家で雪囲い。この季節になると、大河はストーリー的に店じまいが始まる。今回は妻である千代(橋本愛)がコレラで退場する。
千代(それにしても現実の千代さんもすんごい美人ですねえ!)の流行病での死は史実であるようだけれど、コロナ禍で彼女の死が描かれることに大森美香さんが意味を持たせなかったはずはない。子どもたちは母に近寄れず、その死を少し離れて感受しなければならなかった。そんな例はこれまでたくさんあったろう。
大森さんは周到な人だから、千代が死ぬ前に圧倒的に幸福なシーンを挿入している。
「俺は、汚ねえ野郎になっちまった」
「いいえ、とっさまもかっさまも褒めてくださいますよ」
「……千代は?」
「……へえ(笑)」
武州弁がここで炸裂し、泣かせてくれる。
そして臨終。愁嘆場は恒例のものだけれど、そこにお妾さん(死語?)のくに(仁村紗和)とその娘がさりげなくインサートされるなど、深い。
政治的には「明治十四年の政変」が中心。大隈重信追放のてんまつ。で、大倉孝二を起用しているので彼がそんなに簡単に歴史からは消えないのが納得できる。
三菱の専横との激突も予感されて、こっから面白くなるなあ……え、あと何回あるのこの大河。
第37回「栄一、あがく」につづく。
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