野村克也篇はこちら。
(2004年8月現在)1リーグだ2リーグだともめている間に、プロ野球界に今訪れている最大の危機は、果てしない視聴率の低下だ。前々から言われていることではある。でも、視聴率オタクの立場で言わせてもらう。この時期に、しかも裏に強力なコンテンツがあるわけでもないのに、平気で8%台などという数字が出ているなんて。“釜の底が抜けた”程度の表現では追いつかないくらいの、正真正銘の危機。その認識があるのか、マスコミも含めた関係者たちに。
こんな時こそ、もう読売新聞は買わないと言ってのけた彼の直言を……
偉くなったからか(ラジオ日本へ出向中という噂)、めったに中継を担当しなくなった日テレの吉田アナが
「い・や・こ・れ・は手厳しい……」
と嘆息した、あの皮肉な解説が聞けなくなって随分たつ。まだラジオ日本の番組は続けているんだろうか。管理野球を体現した広岡達朗だけど、実はけっこう優しいところもあったのである。
もう十年以上も前、広島市民球場における巨人戦。その日の中継はNHKで解説者は広岡。世に言う(いや、今勝手にわたしが名づけたんだけど)「広島市民球場スパイダーマン事件」が起こったのである。
まわりが止める間もなく、観客の一人がスルスルとバックネットをよじ登りはじめ、上から
「巨人軍は永遠に不潔です!」
というのぼりを掲げたのだ。
当然試合は中断。結果的に押せ押せだった広島は、蜘蛛男の願いも虚しく中断によって巨人に流れを奪われてしまった。
このお馬鹿な男に広岡は当然のように激怒……しなかったのである。含み笑いを浮かべながら「これがね、広島県人なんですよ」と。彼もまた、広島県人だったのだ。
かと思えばやはり鋭いところも。あの伝説の近鉄VS巨人の日本シリーズで……あ、これは次回に。
画像は広岡達朗モデル小説の海老沢泰久「監督」監督論として抜群の面白さ。巨人批判本としてもかなり機能している。
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