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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ゼロの焦点」がわからないPART7

2011-07-13 | ミステリ

Zeroimg09 PART6はこちら

問題は動機だ。なぜ中谷美紀は、実は愛人でもなんでもなかった西島秀俊を殺害しなければならなかったのか。

納得できないでいる広末は、夫がむかし勤務していた立川警察署に向かう。

ここで脚本は「砂の器」パターンに走る。殺人犯には哀しい過去があって、運命、宿命に翻弄されて事件に至ったと。

「砂の器」にはハンセン病という背景があったが、「ゼロの焦点」においては、近代的な考えを持つ戦後派の女性に見えた中谷が、実はパンパン(洋娼)だったという事実が引き金になっている。

え、なんだパンパンって?ですか。しょうがないなあ。松田優作の「人間の証明」も見てないんですか。あの作品で岡田茉莉子が戦後の混乱期に黒人兵といちゃいちゃしていたでしょう?勝者である米兵に身を売ることで生計を立てていたので、日本人は彼女たちにとても屈折した思いをもっているわけ。

立川警察署における西島秀俊の当時の同僚、「踊る大捜査線」でもいい味を出していた小木茂光(くどいようだけど一世風靡の人ね)は語る。

「ついこの間も、同じ問い合わせをしてきた人がいましたよ」

鹿賀丈史である。彼も妻がどんな過去をもっていたか調べに来ていたのだ。広末はここでようやく中谷美紀の過去を知る。そのころ、木村多江もまた同じパンパンだったことも。 ふたりはエイミィ(木村)とマリー(中谷)という仲間同士だったのだ。

その当時、ふたりはGHQの摘発を逃れて学校の音楽室に入りこむ。観客はここで、木村がやはり文盲であったことに気づかされる。中谷は彼女に、黒板に書いてあった歌を教えてあげる。

♪この道は いつか来た道♪

ふたりの来た道がフラッシュバックする。そしてその小声の歌を、警察官だった西島が聴いていたのだ。以下次号

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「ゼロの~」て年代的には吉岡秀隆君主演の映画「三丁... (雨止み)
2013-06-03 01:26:33
「ゼロの~」て年代的には吉岡秀隆君主演の映画「三丁目の夕日」と同じ位だと思うのですがあまり共有する箇所が見つからないです。次に映像化されるなら禎子の夫役を吉岡君がしたらあの時代が小さいブームになりそうな気がします(笑)。
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あの役を吉岡がですか(笑) (hori109)
2013-06-03 22:29:58
あの役を吉岡がですか(笑)

あ、意外にいいかも。なにしろあの役は、ちょっと
いいかげんな性格じゃないと説得力ないですもんね。
(下半身はもっといいかげん)

そのあたりが西島だと立派すぎて……
でも、中谷美紀・木村多江・広末涼子と並べると
すわりはいい。茶川だと……(^_^;)
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茶川のボサボサ頭をピシッとした吉岡君ならいける... (雨止み)
2013-06-04 12:52:13
茶川のボサボサ頭をピシッとした吉岡君ならいけるのでは…。内田有紀ちゃんとホンダ・アコードでドライブしてた頃の秀隆君光ってましたね。一時でも彼女と暮らせた秀隆君が大羨ましいです(笑)。
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そりゃ、内田有紀と暮らせたら幸せでしょうが、 (hori109)
2013-06-04 21:52:18
そりゃ、内田有紀と暮らせたら幸せでしょうが、
わたしはそれ以上に永瀬正敏が嫉ましいです(笑)
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永瀬君てキョンキョンと暮らしてた人ですね。すご... (雨止み)
2013-06-05 10:13:02
永瀬君てキョンキョンと暮らしてた人ですね。すごい才がありそうなのに何故かヒット作に恵まれないのが気の毒です。キョンキョンなら清張の「地方紙を買う女」や「一年半待て」のヒロインを演じれそうに思います。吉本ばななの愛読者なので映画「アルゼンチンババア」て鈴木京香さんより彼女しが合ってたかも…(笑)。
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永瀬はヒット作にはめぐまれないかもしれませんが、 (hori109)
2013-06-06 22:04:28
永瀬はヒット作にはめぐまれないかもしれませんが、
「濱マイク」さえあればいいんじゃないでしょうか(笑)
いつか特集しますのでお楽しみに。
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永瀬君て林海象、相米(慎二)さんとか知的な作品作... (雨止み)
2013-06-07 13:37:16
永瀬君て林海象、相米(慎二)さんとか知的な作品作りをする人のに出ると映える俳優ですね。林さんて今はロスアンゼルスに住んでいるので業界で成功した組の様です。映画「ゼロの~」は世界百ヶ国近くで公開されたそうなので広末さんや鹿賀剛史さんて現在は田園調布辺りで暮らしてるのでは…(笑)。
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