第四十二回「離れゆく心」はこちら。
明智光秀は考えてみればエピソードの少ない人だ。三日天下に終わったので、秀吉の立場からすれば“語られるべき人ではない”のかもしれない。
信長に打擲(ちょうちゃく)された話は先週に(驚くような形で)再現された。さあもうひとつは家康の饗応の失敗だ。なんだっけ。料理が臭かったんでしたっけ。およそありえない話。だから池端先生は「家康と光秀の連携を先んじて封じた」ということになった。なるほど。
つまりは、有名なエピソードはそれぞれに違う意味があったということを大河でやりたかったわけだ。いいと思います!
帰蝶ひさしぶりの登場。彼女は斎藤道三の言葉を伝える立場。信長に「毒を盛れ」と。いい奥さんだなあ。坂東玉三郎演じる天皇も信長を排除しろと遠回しに伝えている。
ふう。いろいろあったけど、来週の最終回に向けて理屈をドッカンドッカンと仕込んでいます。どんな理由で本能寺に至ったのかわからない以上に、どの理由が最優先だったのかがわからないという意外な展開。さすがだ池端先生。
え?あ、そうか。来週が最終回なんだ。これ、えらいことになると思います。脚本家の意図が集結するであろうことがこれほどあからさまな大河もないじゃないですか。
「樅ノ木は残った」の驚愕のラスト、「真田丸」のほのぼのとした堺雅人と藤井隆のやりとりなど、最終回の名シーンは数々ある。わたしは期待しちゃうな。
ああこうやってハードルはあがっていくけど、予感としてこの大河はそれに応えてくれそうな気がするのだ。そしてわたしは、長谷川博己という主役がとても魅力的であることをつくづく思い知らされた。いいよね。
最終回「本能寺の変」につづく。
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