第20話「動機の鑑定」はこちら。
職場のマジシャン教師に訊ねてみる。
「マジシャンってさ、絶対にタネを明かさないじゃない?あれはしんどくないの?」
「うん……ストレスだね。確かに。」
今回の犯人は指を負傷したために引退したマジシャン、南大門昌男(山城新伍)。助手の松たか子と女たらしの弟子の結婚を阻止するために、マジシャンらしい方法を使って弟子に毒を盛る……
メイントリックは、タイトルにもなっているマジシャンズ・セレクト。ある対象を、自分が選んだように思わせながら実はマジシャンが選択したものにしてしまう技術。言葉にするとむずかしいようでも、画面でやられると「なるほどー」とうならされる。
ネットにいい例が載っていました。
「ここに100円玉、50円玉、10円玉の3枚のコインがあります。この3枚のコインの中から、あなたの選ぶコインを当てましょう。」(マジシャンが持っているのは100円玉)
コインを2枚と1枚に分けて下さい。
※1枚のほうに100円玉がある場合は①へ
※2枚のほうに100円玉がある場合は②へ
①「あなたがそのコインを選ぶことは分かっていました」と言って手に握っている100円玉を見せる
②「次に、2枚のコインの中から1枚を選んで手に握って下さい。」
※握ったコインが100円玉の場合は①へ
※残ったコインが100円玉の場合は③へ
③「あなたがこのテーブルに残されたコインを選ぶことは分かっていました」と言って手に握っている100円玉を見せる
……わかりました?どれを選んだとしても100円玉が正解になる仕組み。
古畑がトリックを見破るのは、マジックのもうひとつの鉄則「マジックには無駄な動きはひとつもない」に注目したことによる。南大門が仕掛けた罠には、マジックである以上に、犯罪である要素がひとつ含まれていたのだ。
犯罪が暴かれたことへの悔恨よりも、好敵手がタネを見破ってくれた喜びの方が南大門には大きかったみたい。おすすめの回です。
今回の視聴率はなんと27.8%。娘キャラが初々しい松たか子のおかげもあったろうか。放映から十年以上経ち、澤村藤十郎につづいて山城新伍も体調を崩していると聞く。どうしているのかなあ。
第22話「間違えられた男」につづく。
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