PART15「庄内」はこちら。
まず想像してみてほしい。ほぼ人口が拮抗しているふたつの市がその地方にふたつある。その時点でお互いを意識するなという方が無理。かたやお武家様の街で、かたや商人中心の町。かたやおっとり、かたや荒くれ。合うわけがない(笑)。
かつて「きれいな手で」で特集したように、わたしが新規採用されて最初に赴任したのは鶴岡の中学校だった。そこに勤務しているのはほとんど鶴岡市民。そこにただひとりだけ、酒田出身の先輩がいて、わたしへのアドバイスはため息まじりなものだった。
「鶴岡の人たちとうまくやっていくのは大変だよ……」
彼はその後、婿入り先の藤島(現鶴岡市)で壮絶な殺人事件を起こしたので、この言葉は意味深でもある。
その学校には北海道からやってきた女性も勤務していた。しかも根室の遠洋漁業に出る荒くれ漁師の娘。お母さんといっしょに鶴岡駅に降り立ち
「~しやぁ」「~しやぁ」
というおっとりした鶴岡弁を聞いて
「ここでやっていけるかい?」
お母さんは本気で心配したそうだ。それほどにおっとり。わたしも調子くるったっけなあ。
学校事務職員の仕事でも酒田と鶴岡では勝手が違うような気がする。あくまで一般論、あくまで印象で語っちゃうんだけど、鶴岡の方がはるかに職員に優しい仕事をしている感じ。ものすごくご奉仕もうしあげているというか。
逆に、酒田の方はつっけんどんな感じ。怖がられているというか。印象だけだけどさ!つっけんどんの代表選手のわたしだからそう感じるのかもしれないけれども。
わたしは鶴岡をわずか一年間で出たので気づかなかったが、事務職員としてのスタイルを確立したあとで酒田と鶴岡を往復する人事だと、やはりきつかったはずだ。
さて、仕事以外の面ではどんなものだろう。以下次号。
画像は、鶴岡出身で酒田南高校卒、そして専修大学に進んだ長谷川勇也。こりゃ、応援しなきゃ。
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