長いこと引きこもっていた長男(加瀬亮)が、自室でおもむろに首を吊る。母親(原日出子)はそれを見て台所から包丁を持ち出し……帰宅した長女(「菊とギロチン」の木竜麻生!)は、長男の無惨な姿と、気を失っている母親を発見する。母親の昏睡はつづく。
父親(岸部一徳)は、洗濯機に洗剤ではなく洗濯のりを入れてしまうほど家事に疎い。家庭をすべて妻にまかせていたことの象徴。
そしてある日、母親が覚醒する。しかし彼女は息子の死も、そのあとに自分がとった行動もおぼえていなかった……
岸部一徳がこの作品への出演を決めたのは、とにかく脚本がすばらしかったからだという。だから、暗い題材ではあるけれども、長男が生きているように母親に思わせる工夫で笑わせてくれるタイプのコメディなのかと勝手に想像。
ぜーんぜん違いました。
長男の心の闇、母親の哀しさを徹底して描くことで、むしろ突き抜けた面白さ。さすが、野尻克己監督が4年もかけて書いた脚本だけのことはある。
彼は、わたしと同じように兄を自殺で失っている。野尻家でも同じような小さな嘘があったようだし、実はうちでもありました(母親は中学生だったわたしに「お兄ちゃんはちょっとケガをしただけ」と伝えた。きっと彼女もそう信じたかったのだろう)。家族を自殺で失ったときに、医者に「事故だったことにしてください」とリクエストすることは多いらしいし。
残された家族のダメージは大きい。しかし野尻は
「死んだ兄が生きていた証し」
をとんでもない形で(笑えます)描くことでみごとな作品に仕立てることができた。心底、うらやましいと思いました。役者の演技がとにかく全員すばらしいの。見てよかった。
時間が合わず断念したような…
horiさんのご家庭大変だったのですね…
私の中学時代は両親の離別で疲弊してました…
重い話でゴメンナサイ!
作品は後程DVDレンタルしてみます!
よくホームドラマでむかしはあったけど、
それだけ憧れの存在だったってことも
あるんじゃないかなあ。
TBSはそのあたりが周到だった。
いやーあの頃は地獄だったな(笑)