PART6「小津安二郎」はこちら。
さあ、いよいよ三國連太郎の女優論が。
-(『復讐するは我にあり』で)倍賞美津子と共演するのは、これが初めてですか。
三國:多分そうだと思います。
-倍賞美津子は三國さんから見て、どんな役者だと思いましたか。
三國:お姉さん(倍賞千恵子)とは全然反対ですね。
-すると、ああいう風呂のシーンなんかでも、全然物怖じしないんですか。
三國:しませんね。
-そういう意味では度胸がいい。
三國:それはちょっと違うんじゃないですかね。割り切るとかなんかじゃなくて……。
-根っからの……。
三國:そう、根っからのものじゃないでしょうか。
-「釣りバカ」シリーズで西田敏行の奥さん役で出ていた石田えりに、感じは似ているんですか。
三國:いや、全然違うと思います。
-違いますか。何が違うんですか。石田えりと比べて倍賞美津子は。
三國:うーん、難しいところですけど、上手とか下手とかじゃなくて、頭の回転が違うんじゃないでしょうか。表現が難しいですけどね。
-タイプとして似ているかどうかわかりませんが、原田美枝子という女優がいますよね。
三國:うーん、僕は原田さんの場合は、あまり興味深くと言ったらおかしいですけど、女優さんとしてそんなに関心がないんです。
-小川真由美さんという人はどんな役者さんでしたか。
三國:印象はまったくありませんね。
……三國連太郎がスクリーン以外のところで女優たちとどんな関わり合いをもっていたかはよくわからない。でもまあ、かすかに伝わっている部分と、このコメントの落差には「あー、一筋縄ではいかない人なんだなあ」とあらためて。
にしても、佐野眞一の質問は煽る煽る。彼がいま、橋下との問題を自分のなかでどう総括しているのか、一度質問してみたい。インタビュイーとしての佐野は、はたしてどんな素材なのだろう。
最終回「追悼」につづく。
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