音に反応する(だから耳が異様にリアルに描いてある)宇宙生物のために、静かな生活を強いられる地球人……
「コンテイジョン」(最初の感染がラストに至って解明されるあたり、すごい脚本でした)がコロナの世を正確に予言していたのと同様に、現在の世界との類似にびっくり。家を出ず、侵入者におびえる日々。そしてこの2018年製作の映画の設定は2020年なのである。
なんか息詰まる映画は苦手なので(ほんとよ)レンタルしたDVDではいちばん最後に鑑賞。まあ、エミリー・ブラント目当てだったんですけど。
もちろん、そんな世の中で出産することの無謀さは誰だって指摘するところだ。この、コロナの世においてもそれは同様だろう。憂鬱と絶望が覆う世の中で、子をつくることのモチベーションは大方の若者たちにとって下がっているのではないか。だいたい、濃厚接触するのが彼らの商売みたいなものなのに、世間がそれを許さない。可哀想である。
父親(ジョン・クラシンスキー……監督兼任で私生活でもエミリー・ブラントと夫婦。許さん)も母親も無力だが、しかしハリウッド映画らしい逆転劇がちゃんと用意してある。単なるワンアイデア作品ではなく、そんな設定に聾唖の娘を配するあたりの周到さがいい。
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