ケネス・ブラナー版を観たばかりなので、ストーリーも犯人も承知している。っていうかそれ以前にこの作品を四十年以上前にわたしは名画座で観ているし(でもそっちの記憶はみごとに欠落しています)、クリスティの原作ももちろん読んでいます(そっちの記憶もあいまい)。それでも、なかなか楽しめる映画でした。
エルキュール・ポワロ役はピーター・ユスティノフ。あの「オリエント急行殺人事件」のアルバート・フィニーと路線はいっしょだけれども、なにしろあの巨体なのでイメージが違っている。およそ名探偵っぽくないというか。ポワロというより、レックス・スタウトが創造した巨漢探偵ネロ・ウルフに近い。
粋な脇役をそろえているのも強みで、ベティ・デイヴィス、マギー・スミス、デヴィッド・ニーヴンの三人がいるだけで画面が豊穣に見える。
客船の乗客のほとんどが殺される富豪の女性を憎んでいるという設定は、詳しくは言えないけれどもオリエント急行殺人事件より強引(笑)。
客がすべて白人で、川岸のエジプト人を蛮族的に描いているのも、時代的に仕方のないことだろうか。クリスティが原作を書いたころならともかく、70年代に至ってもまだまだ現代から見れば政治的に正しくなかったのかな。
監督はジョン・ギラーミン。「タワーリング・インフェルノ」や「キングコング」など、このころの彼は大作請負監督だった。
キャストは他にミア・ファロー、アンジェラ・ランズベリー、ジョージ・ケネディ、ジェーン・バーキン(シャルロット・ゲンズブールのお母さんです)、ジョン・フィンチ、ジャック・ウォーデン、ロイス・チャイルズなど。このころのオリビア・ハッセーは匂うように美しい。
リチャード・アムゼルのポスターも最高。
まあ、最後に言っておきますけど、犯人役だけはミスキャストではなかったかと……。
犯人役に関しては私も一票。
ニーブン、デイビス、ランズベリー最高です。
マギースミスは当時も今年の映画ダウントンアビーまでも
ホント楽しませてくれる俳優ですね。
ポワロは私はこちらの方が好みです。可愛げが。
1番はスーシェですけども。
信じられないですよね(笑)
ピラミッドの前に立つミア・ファーローにゾクゾクしました!
好きが乗じて彼女のヌードをブログで披露したら
gooから削除されてしまいました(笑)