志水辰夫の19年ぶりの現代小説だとか。もうそんなになるのか。そのあいだに「青に候」「夜去り川」「引かれ者でござい」など、数々の時代小説で魅了してくれたのでもうそっち専門でいくのかと思ってました。
そこを曲げて、現代小説に再び向かわせた小学館の編集者がまず偉いということでしょうか。そして彼の現代小説は熱烈に迎えられた。
なにしろ腰巻きには北方謙三、佐々木譲、夢枕獏、大沢在昌、馳星周、今野敏の推薦文がそろいぶみ。みんな、待ってたんだなあ。
もちろんわたしだってうれしい。鶴岡が舞台の「背いて故郷」に興奮し、「深夜ふたたび」を読んで今度のクルマはフォルクスワーゲンゴルフにしようと決心し、去年の痛風で休んでいたときは映画化された「行きずりの街」を、痛みをこらえながら見ていたくらい好きなのである(笑)。
この新作も読ませる。これまでとちょっと違うのは主人公がすでに老齢だということ。そしてある特殊な能力をもっていること。
内閣調査室の下部組織でその能力を活かしていた主人公が、ラストで壮絶な暴力に遭遇するあたり、いつものシミタツ節です。またの新作をお待ちしております。
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