まずは読者のベストから。
富山和子の「水の文化史」(文藝春秋)
文章ほれぼれ。
知りませんでしたこの本の存在を。川を通じて日本の歴史と文化を解き明かし、日本海側こそが表日本ではないかと主張する……。酒田も出てくるそうです。大学受験には毎年出題される名著とか。
もうやったんでしたっけサイバラの「毎日かあさん 出戻り編」(毎日新聞社)
やってないです!ひねくれ者なので、確か07年の「ダ・ヴィンチ」で“最も泣ける本”に選ばれているので紹介しそびれました。
西原理恵子が旦那の死を静かに見送るお話。死の床で「ありがとう。人として死んでいくことができる」とつぶやくあのラストに泣けない人はいないですわ。泣いた泣いた。泣いた泣いた泣いた。部屋から出られませんでしたもの。特にアル中の人間にとっては身につまされて(T_T)。“出戻り”とはダンナの方にかかる、生への帰還と別れのことばだったのだ。
さてわたしのベスト。例によってミステリと非ミステリでカテゴライズ。
【非ミステリ部門】
1.「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか」岡田芳郎著 講談社
2.「出星前夜」飯嶋和一著 小学館
3.「中原の虹」浅田次郎著 講談社
【ミステリ部門】
1.「フロスト気質(上・下)」R.D.ウィングフィールド著 創元推理文庫
2.「チャイルド44(上・下)」トム・ロブ・スミス著 新潮文庫
3.「女王国の城」有栖川有栖著 東京創元社
邦画ベストが「おくりびと」で、本のベストがグリーンハウスとは……しかも2位の飯嶋は山形出身だし。こんなに郷土愛にあふれた人間だったとはわたしも意外なりー。
次回は音楽篇。
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