第八回「栄一の祝言」はこちら。
死亡フラッグが立つ間もなく、次々に主要キャストが退場していく。安政の大獄が前回なのに今回はもう桜田門外の変。橋本左内(小池徹平)、井伊直弼(岸谷五朗)、徳川斉昭(竹中直人)……。
その過程で慶喜(草彅剛)は何をしていたかというと、謹慎を原理的に解釈して徹底的にひきこもっている。意地っ張りである。
さて桜田門外の変。義挙ととるか集団テロと見るかは立場による。確実なのは、江戸城と彦根藩邸の近さで、いまでも警視庁んとこ、と誰でも位置関係はよくわかるようになっている。
大沢たかおが主演した映画「桜田門外ノ変」では、ラストでカメラがそのままパンして国会議事堂との近さも強調していました。あの事件と現代はつながっていますよと主張するかのように。
あの映画で井伊直弼を演じたのは伊武雅刀。わりとシンプルな悪役になっていたのはもったいなかった。ちなみに徳川斉昭役は北大路欣也でした(笑)。
あわれなのは随行していた彦根藩士たちで、藩主を殺された責任をとらされてほとんどが死んでいる。あの日、雪さえ降っていなければすぐに刀を抜けたのに……
国粋的だった水戸は、この事件で攘夷を加速するけれども、徳川をひっくり返したのは攘夷のナンセンスさに途中で気づいた連中だったことを考えると、水戸の人間だった慶喜が将軍になったことがどう影響したかはこれから描かれるのかな。
栄一(吉沢亮)は何もしていない。いや千代(橋本愛)と新婚っぽい照れがあるのは微笑ましいけれども、そこにいきなり不穏な長七郎(満島真之介)が登場し、この夫婦の行く末が穏やかなことばかりではないことがうかがえる。
しかし今回はちょっと薄味じゃありませんでした?題材の大きさのために、ドラマ的には静かなものだったような気がします。それにしても井伊家の菩提寺が豪徳寺だとは知らなかったなあ。学生時代のアパートから近かったのに、一度も行ったことありません。
第十回「栄一、志士になる」につづく。
漫画は読んでなかったけど、
映画で主演した三田寛子がお母さんとして
(そして妻として)今いろいろと
苦労しているあたりに時代を(^o^)
なんと脚本はわたしが大好きだった
斎藤博だったのかあ!
実利にも影響されているあたり、
考えてあるなあと。
ドラマに戻って、最初は「若手イケメンのカタログドラマ」と思ってたのですがさにあらず、結構泥臭い。
茨城ハーフ(父が茨城出身)の私は、幕末ドラマでここまで水戸藩を中心にしたものが少ないので、結構面白く見ています。幕末の熱気というのは武蔵国の田舎の青年たちまでも狂わせる何かがあったんですねぇ。