「スウェプト・アゥエイ」篇はこちら。
大当たりと大コケを繰り返すガイ・リッチー。そんな彼にチャンスが巡ってきた。「ダイ・ハード」や「マトリックス」で知られるジョエル・シルバーが製作するホームズ映画の監督に抜擢されたのだ。
ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウがホームズとワトソンを演じる大作で、予算もこれまでの作品とはけた違いだ。だいじょうぶかリッチー。
このギャンブルにリッチーは大勝する。二作品ともに世界中で大ヒット。内容も評価され、リッチーの名も上がった。
しかしこれが本当にシャーロック・ホームズの映画化か、と言われれば確かに“エキセントリックな探偵がアクションを展開する”だけで、推理関係がちょっと弱い。もちろんコナン・ドイルの原作も、実は推理よりも冒険の色彩が強かったわけだけれども。
しかしリッチーらしさは横溢していて、無駄に見えるシーンが最後に生きてくるあたり、うれしくなる。
だいたい、わたしもホームズの大ファンだから、ベイカー街221Bにハドスン夫人がいて、レストレイド警部が「おみおくりの作法」のエディ・マーサンなのもうれしい。
ワトソンの婚約者メアリーがケリー・ライリーで、悪女アイリーン・アドラーがレイチェル・マクアダムスなのは逆にしたほうがイメージキャストだけどね。さすがハリウッド大作だからライヘンバッハの滝はわたしが想像していたよりもかなり大きい。
さて謎なのは、なぜこんなにヒットしたし、原作でも「シャーロック・ホームズの復活」が描かれているのに、三作目が作られなかったかだ。なんか、あったんでしょうねえ。
「ジェントルメン」につづく。
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