PART10はこちら。
ああまどろっこしい。もちろんこの連続殺人事件の犯人は美也子(小川真由美)である。
実は金田一もそのことに気がついている。それなのに、彼が探偵としてやっていることは寺巡り。これが、松竹版の弱みであり、同時に“そうでなければならないこと”だったのだ。
村人は辰弥を追って鍾乳洞を取り囲む。出れば私刑になることは自明なので、金田一のアドバイスはまるっきり無効だというわけではない。しかし鍾乳洞には美也子がいる!
金田一はのんきに警察や村人に解説する。この犯人が意図したものはなんだったか。要するに金の問題だったのだと。美也子の生活は華やかに見えるが、実は事業が行き詰まっていて、多治見家の財産を手中におさめようと……
すごくないですか。遺産を手中におさめるためには、久弥、小竹、小梅、久野、そして春代と辰弥がいて、自分の亡くなった夫の家にまわってくるのは彼らがすべて亡くなってからなのだ。全部殺すってのは……あ、そうか。だから辰弥さえ自分のものにすればよくなったから金田一は油断していたわけだ。美也子が辰弥を殺すはずがないと。いま気づきました(笑)。
でもそれなら、おじいちゃんである丑松や久弥を殺す理由は……つまり美也子は最初はやっぱり八つ墓伝説を利用して多治見家全員の殺害を意図していたけれど、途中で辰弥をものにすればいいのだからと(すいませんまた下品な表現で)、じゃなかった、辰弥を愛してしまったものだから路線を変更したということでいいのかな?そのあたりがよくわかんないんだよなぁ(当初は本気で辰弥がじゃまだった?)。
いずれにしろ、鍾乳洞のなかで辰弥と美也子は愛し合う。フェロモンぶちまけまくりの小川真由美が美しい。しかし観客みんながいっせいに「気づけよ!」と思った瞬間に辰弥は指の怪我を見てすべてを悟る。美也子も、自分の犯罪が辰弥に知られてしまったことをそこで感づき、恐怖の追跡劇が始まる。以下次号。
あの“花嫁”は確かにコミック向けかもしんないですね。
納得。
願っています。ATGのときの金田一は中尾彬でしたが(笑)
もっと草食系でいいので。
だってあのトリックは、映像にしてくれないと
よくわからない!
“とんがってた”女優である桃井かおりが、松竹人情喜劇に
出るのは当時としても違和感あったんだけど、あれだけの
作品に仕上がっていたので納得。
彼女には脚本を読むチカラがあったんでしょうね。
あ、なんと荒井晴彦の名前がっ!
にしても、わたしも「陽だまりの彼女」は気になっている
んですが、やっぱ五十男が一人で見るのは……ねえ?
当時、彼女は女優として売れてはいたけれど、
格として微妙。
そこをこの大作出演と大ヒットでのりきったわけ。
小川の娘は不満だったようだけれども(笑)