2014年9月号その2「総合的な見直し」はこちら。
ついに県人事委員会が勧告を発表。その内容は
・月例給を平均0.21%引き上げる
・ボーナスを0.2ヶ月分引き上げる
と、なっています。朗報。国家公務員の人事院勧告の場合と単純比較はできないのですが、あちらはボーナスの増加は0.15ヶ月分でしたからそれを上回っている(……それでも国より低いんだけど)!年収ベースで9.1万円の増収になる!
長いこと山形県職員給与にはいいことがなかったので、こういうおいしい話には裏があるのではないかと思われるでしょう。でも、“今年については”文句なくいい話なのです。
新聞記事では紋切型に「6年ぶり引き上げ」と語られていますが、そのときはボーナスのプラス勧告はされたけれども、実際には引き上げは行われなかったので、年収ベースでプラスに転じたのは十数年ぶりなのです。ああ長かった。
知事部局の人間(30才くらい)と話したとき
「よく考えてくださいよ。おれが採用されてから、条件は悪くなりっぱなしです」
まあ、50代の人間にも、そんなにいいことはなかったけどなあ(田中角栄の時代を知っている世代には“いい年”が確かに存在しました)。
あまりにも冬の時代が長かったので『差額』という存在を知らない世代も増えたはず。
地方公務員の給与というのは、人事委員会勧告を受けて、11月~12月に議会で可決されてようやくアップします。それは多くの場合『その年の4月1日にさかのぼって行われる』のです。ということで、アップした4月~11月分、6月期末勤勉手当とそれまで支給された額の差を、12月中にまとめて支給する、これをいわゆる差額と呼んでいます。支給時期から、むかしは「餅代」と……ああほんとに昔話になってしまった。
その差額がどう支払われるかはまだわかりません。今年のボーナスの増加分はすべて12月の勤勉手当にあてられるようなので、こむずかしい話を抜きにすれば、12月1日(基準日と呼んでいます)よりも前に議会が可決すれば、12月のボーナスは2.15ヶ月分支給され、給料の増加分は12月の給料に上乗せでしょうか。可決がうしろにずれこめば、差額だけの支給ということも。むかしはこれが通常で、忘年会の翌日にひーひー言いながら現金を袋詰めしていたものでしたが……(遠い目)。
もちろん勧告がそのまま実施されるかはまだ油断できません。
「勧告の趣旨を尊重し、国や他県の取り扱い、厳しい財政事情などを総合的に勘案し、適切に対処していく」
……この吉村知事の発言を翻訳すると「まだなんも決めてねー」でしょうし。
画像は「蜩ノ記」(2014 東宝=テレビ東京)
ネット上でも「泣ける」と評判の直木賞受賞作の映画化。わたしはその原作を読んだ時も違和感ありあり。みずからが罪をかぶることでお家の安泰をはかる、ってことで山本周五郎の「樅の木は残った」パターン。でもほんとうにこんなことで藩が守れるんだろうか。公儀隠密はそんなに甘いか?役所広司と岡田准一は立派すぎるし。
2014年11月号「寒冷地手当?なんすかそれ」につづく。
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